講演情報

[PA-56]反響対話法:フィールドワークの経験を協働的に解釈するデザイン人類学研究会in水俣の取り組みから

*上平 崇仁1、市川 千馬2、飯嶋 秀治3 (1. 立命館大学 デザイン・アート学部、2. 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科、3. 九州大学 人間環境学研究院)
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キーワード:

デザイン人類学、フィールドワーク、エスノグラフィ

本稿は、熊本県水俣市で実施した「デザイン人類学研究会 in 水俣」を対象に、フィールドワーク経験を後日の対話によって協働的に再解釈する手法「反響対話法」を報告するものである。参加者ごとの直接経験を個人の印象に閉じず、他者との往還を通じて多角的な解釈へ開くことが、本稿の中心的な課題である。研究会では、水俣病資料館、相思社、湯堂漁港などを訪れ、水俣病を過去の公害事件ではなく、現在も続く生活・記憶・地域再生の過程として捉え直した。また水俣を、高度成長期の産業デザインの「反・経歴書」として位置づけた。反響対話法は、異なる背景を持つ参加者が対談を重ね、その記録を次の対話が参照することで、解釈を積層的に深める方法である。実践では、率直な違和感がシステム、ケア、クラフト、デザイン倫理などの論点へ接続され、短期滞在者の視点も既存の理解を揺さぶった。本手法は、経験を他者との関係のなかで生成する解釈過程として扱う点に意義を持つ。

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