講演情報
[GP21]整形外科術前検査の心臓超音波検査で心室中隔穿孔をきたしていた1例
*大后 美帆1、高田 潤一郎1、引間 俊介1、菅野 美樹1、飯田 真伍1、鈴木 遥香1、近藤 昌知1 (1. 医療法人社団 恵仁会 府中恵仁会病院)
【背景】心室中隔穿孔(Ventricular Septal Perforation:VSP)は心筋梗塞の合併症である左室壁の穿孔が心室中隔に起こったもので、心筋梗塞発症から24時間から2週間で0.2-1.5%程度発生すると言われている。カラードプラ法で迅速にVSPを疑うことができるが、初診患者かつ無症状の患者から重篤な疾患を疑うことは難しい。
【症例】80代女性。3年前に冠動脈カテーテルの既往歴あり。右上腕骨近位端骨折治療のため徒歩にて来院。整形外科術前検査の為に心電図検査と心臓超音波検査が依頼された。検査前の症状確認では心不全症状や胸痛の訴えはなかった。心電図検査にて異常Q波、T波異常を認めた。心臓超音波検査にて局所壁運動異常を認め、左室下壁は菲薄化し瘤化を認め、心筋梗塞を疑う所見であった。カラードプラ法にて瘤化部位から右室への流入血流を認めた。聴診においても明瞭な収縮期心雑音が認められ、心室中隔穿孔と報告した。この検査結果より当院での整形外科の手術は延期となり、心筋梗塞の治療病院に紹介となった。
【考察】整形外科の術前検査において徒歩で移動できる患者の検査であったため、重篤な所見を疑わなかったが、このような場合でも既往歴を確認するなどして、よく観察することが重要であることを再認識させられる症例であった。
【症例】80代女性。3年前に冠動脈カテーテルの既往歴あり。右上腕骨近位端骨折治療のため徒歩にて来院。整形外科術前検査の為に心電図検査と心臓超音波検査が依頼された。検査前の症状確認では心不全症状や胸痛の訴えはなかった。心電図検査にて異常Q波、T波異常を認めた。心臓超音波検査にて局所壁運動異常を認め、左室下壁は菲薄化し瘤化を認め、心筋梗塞を疑う所見であった。カラードプラ法にて瘤化部位から右室への流入血流を認めた。聴診においても明瞭な収縮期心雑音が認められ、心室中隔穿孔と報告した。この検査結果より当院での整形外科の手術は延期となり、心筋梗塞の治療病院に紹介となった。
【考察】整形外科の術前検査において徒歩で移動できる患者の検査であったため、重篤な所見を疑わなかったが、このような場合でも既往歴を確認するなどして、よく観察することが重要であることを再認識させられる症例であった。
