講演情報
[P03-06]南海トラフ想定震源域におけるGNSS-A海底地殻変動観測網SGO-Aの強化
*渡邉 俊一1、永江 航也1、石川 直史2、中村 優斗1、松下 優1、横田 裕輔3 (1. 海上保安庁海洋情報部、2. 海上保安大学校、3. 東京大学生産技術研究所)
海上保安庁では,GNSS測位と音響測距観測を結合した海底測位手法「GNSS-A」を用いた海底地殻変動観測を実施している(e.g., 渡邉, 2021, 海洋情報部研究報告).海上保安庁が運用する海底地殻変動観測網SGO-Aでは,三陸沖以南の日本海溝,相模トラフ,及び南海トラフ沿いに観測点を設置し,年数回の精密測位観測を繰り返し実施することで,沈み込み帯の海溝近くにおける地殻変動をモニターしている.日本海溝沿いでは2011年東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動(Sato et al., 2011, Science)及び余効変動(Watanabe et al., 2014, GRL; 2021, EPS)等を検出し,南海トラフ沿いではすべり欠損速度分布の推定(Yokota et al., 2016, Nature)やスロースリップによる非定常的な地殻変動の検出(Yokota and Ishikawa, 2020, Sci. Adv.)に貢献している.
特に南海トラフ沿いの地震の想定震源域内においては,繰り返し観測点の増強がなされてきた.2011年初め時点では,GNSS-A観測点は6点であり,御前崎沖から室戸岬沖までに概ねトラフに平行するように一列に配置していた.2011年度には9点を増設し,豊後水道南方まで西側に観測範囲を広げつつ,二列配置として想定震源域内を観測できるようにした.これにより,海底下の面的なすべり欠損速度分布が推定できるようになった.2019年度には,特に紀伊水道南方以東の海域についてトラフ軸近傍に4点の観測点を設置し,プレート境界浅部の影響を抽出することを目指している.今回,2025年度にはさらに4点の観測点を設置できることとなり,室戸岬沖以西の観測空白を埋めるよう設置計画を立案している.設置にあたっては,既存の観測点の配置バランスだけではなく,地下構造や地殻活動の分布,地質等も考慮したうえで観測点位置を決定することが望ましい.一方で,設置場所の海底地形や海底ケーブルの配置,水産業や安全保障等の海域利用の実態,他機関の海底観測設備(N-netやDAS等)との相互運用可能性など,多くの制約に配慮する必要がある.本研究では,これら条件等を考慮し,適切な設置点について検討したので報告する.
特に南海トラフ沿いの地震の想定震源域内においては,繰り返し観測点の増強がなされてきた.2011年初め時点では,GNSS-A観測点は6点であり,御前崎沖から室戸岬沖までに概ねトラフに平行するように一列に配置していた.2011年度には9点を増設し,豊後水道南方まで西側に観測範囲を広げつつ,二列配置として想定震源域内を観測できるようにした.これにより,海底下の面的なすべり欠損速度分布が推定できるようになった.2019年度には,特に紀伊水道南方以東の海域についてトラフ軸近傍に4点の観測点を設置し,プレート境界浅部の影響を抽出することを目指している.今回,2025年度にはさらに4点の観測点を設置できることとなり,室戸岬沖以西の観測空白を埋めるよう設置計画を立案している.設置にあたっては,既存の観測点の配置バランスだけではなく,地下構造や地殻活動の分布,地質等も考慮したうえで観測点位置を決定することが望ましい.一方で,設置場所の海底地形や海底ケーブルの配置,水産業や安全保障等の海域利用の実態,他機関の海底観測設備(N-netやDAS等)との相互運用可能性など,多くの制約に配慮する必要がある.本研究では,これら条件等を考慮し,適切な設置点について検討したので報告する.
