講演情報
[P10-03]対話型生成AIを用いた歴史地震の震度判定の改良
*大邑 潤三1、北本 朝展2、加納 靖之1、橋本 雄太3 (1. 東京大学地震研究所、2. 国立情報学研究所、3. 国立歴史民俗博物館)
LLM(大規模言語モデル)を用いた対話型生成AIにより,歴史地震の震度判定を行う試みを進めている.大邑・北本ほか(2024)では,Claude Sonnet 3.7 に歴史地震の震度判定基準を読み込ませた上で地震史料の被害記述を与え,判定基準に沿って震度を判定させる試みを行った.結果として判定精度は中程度であり,特に人間による震度判定と比較すると,使用すべき判定基準を参照しないことが問題であった.また「地震史料テキストデータベース」との連携が課題として挙げられた.
本研究では上記の課題を解決するために,震度判定基準の整理やプロンプトの改善,「地震史料テキストデータベース」から史料テキストを読み込んで震度判定を行うWebアプリの開発を行った.
これまで震度判定基準は,宇佐美(1994)などの震度判定表にあるものを箇条書き形式に変換しそのまま使用していた.しかし一般民家に関する基準が分散・重複して記載されているなど,基準として整理されていない状態であった.AIが使用すべき震度判定基準を選ぶ際に判断に迷う原因となると考え,これらの整理を行った.またそれらを「指標カテゴリー」としてまとめ,震度判定を,①史料記述からキーワード(指標・被害状況)を抽出(「〇〇守様長屋潰れ」武士・長屋)→②「指標カテゴリー」から適合する指標を選択(指標P(大名や武士の住居))→③「指標カテゴリー」の中から史料記述に最も近い基準を選択(P-178→震度5.5),と段階的に行うようにプロンプトを改善した.
「地震史料テキストデータベース」との連携については,データベースのURLを経由して史料テキストを取得し,ClaudeのAPIによって震度判定を行うWebアプリを開発した.ここでは震度判定のほかに,地名や施設,場所の抽出も行い,地点単位で震度判定して表形式で出力されるようにした(図).ここで抽出した歴史地名については歴史地名辞書と連携して緯度経度を付与することにより,震度分布図を作成することが可能になる.
本研究では上記の課題を解決するために,震度判定基準の整理やプロンプトの改善,「地震史料テキストデータベース」から史料テキストを読み込んで震度判定を行うWebアプリの開発を行った.
これまで震度判定基準は,宇佐美(1994)などの震度判定表にあるものを箇条書き形式に変換しそのまま使用していた.しかし一般民家に関する基準が分散・重複して記載されているなど,基準として整理されていない状態であった.AIが使用すべき震度判定基準を選ぶ際に判断に迷う原因となると考え,これらの整理を行った.またそれらを「指標カテゴリー」としてまとめ,震度判定を,①史料記述からキーワード(指標・被害状況)を抽出(「〇〇守様長屋潰れ」武士・長屋)→②「指標カテゴリー」から適合する指標を選択(指標P(大名や武士の住居))→③「指標カテゴリー」の中から史料記述に最も近い基準を選択(P-178→震度5.5),と段階的に行うようにプロンプトを改善した.
「地震史料テキストデータベース」との連携については,データベースのURLを経由して史料テキストを取得し,ClaudeのAPIによって震度判定を行うWebアプリを開発した.ここでは震度判定のほかに,地名や施設,場所の抽出も行い,地点単位で震度判定して表形式で出力されるようにした(図).ここで抽出した歴史地名については歴史地名辞書と連携して緯度経度を付与することにより,震度分布図を作成することが可能になる.

