講演情報
[S07-01]地震対蹠点のPKIIKP波を用いたアジョイント法による地球内核表面のP波速度推定
*坪井 誠司1、Butler Rhett2 (1. 海洋研究開発機構横浜研究所 地球情報科学技術センター、2. ハワイ大学)
我々はこれまで、地震対蹠点のPKPab波を使用してアジョイント法により感度カーネルを計算し、最下部マントル底部の不均質なVp構造を推定してきた(Tsuboi and Butler, 2024, 2025)。対蹠点での PKPab 波は、波線の収束のため大きな振幅が観察され、また感度カーネルは核マントル境界の広い領域をカバーする特徴的な環状パターンを持ち、少ない地震―観測点ペアでも十分広い領域の構造を得られるという特徴を持つ。本研究では、同じように波線の収束が見られる地震対処点のPKIIKP波を用いて、アジョイント法により内核表面のP波速度不均質構造の推定を試みた。過去 30 年間で、S/N 比の高い対蹠点観測点を調べ、震央距離が 179.5 度より大きく、Mw が 7.0 未満である 22 の震源と観測点のペアを選択した。 JAMSTEC の地球シミュレータ上で SPECFEM3D_GLOBE ソフトウェアを使用して、不均質マントルモデルの理論地震波形を約 6.9 秒の精度で計算した。計算に使用したパラメータは NEX=640、コア数は 9600 である。 観測された地震記録と計算された地震記録の両方の鉛直成分からPKIIKP位相を取得し、アジョイントソースを計算して内核内のVpの感度カーネルを求めた。 地球シミュレータVEノードの 9600 コアを使用して感度カーネルを計算するには、CPU 時間で約 1時間を必要とした。各地震―観測点ペアについて計算された Vp 感度カーネルは、特徴的な環状パターンを示し、内核上部の Vp 構造に対する 感度カーネルを足し合わせることで、Vp 構造の不均質性をモデル化するために十分となる可能性がある。 各イベント カーネルを足し合わせて内核表面のVp の感度カーネルを設定し、インバージョンを数回繰り返して Vp構造を推定した。反復の際には、PKIIKP波の観測波形と理論波形の到着時残差のRMSを計算し、モデルが改善されていることを確認した。 講演では追加の反復を実行してモデルを更新し、内核表面の Vp モデルについて発表する予定である。
