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[S07-03]波形インバージョンを用いた中米下D″領域の三次元異方性S・P波速度構造推定

*佐藤 嶺1、河合 研志1 (1. 東京大学)
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地球の最下部マントル領域(D″領域)はマントル対流の下部熱境界層(TBL)であり、液体鉄合金と固体岩石が接する核-マントル境界の直上に位置する。特に沈み込み帯下のD″領域では、古スラブがTBL物質と相互作用することで、地球の熱化学進化が促進されていると考えられている(Garnero & McNamara, 2008)。従って、スラブの厚み(~100 km)と同程度のスケールでD″領域の地震波速度構造を推定することで、スラブの振舞いを解明することが重要である。
スラブがもたらす温度・化学不均質構造を推定するには、S波速度(Vs)及びP波速度(Vp)構造を同程度の解像度で推定し、地震波速度に対する温度・化学効果を分離する必要がある(e.g., Masters et al., 2000)。我々は、北米で緻密に展開されているUSArray観測網の地震波形データを局所的三次元波形インバージョン法(Kawai et al., 2014)に適用することで、中米下D″領域の三次元等方性Vs・Vp構造を同程度の解像度かつ、水平方向約500 km、鉛直方向100 kmの高解像度で推定した(Sato et al., under revision)。
一方で、沈み込み帯下D″領域では、スラブの流動により鉱物の結晶方位選択配向(CPO; Karato et al., 2008)に伴う地震波異方性構造が形成されると示唆されている(e.g., Garnero & Lay, 2003)。異方性の効果を考慮することは、より正確なモデルを得るのに必要である(e.g., Sieminski et al., 2007)。そのため、本発表では鉛直軸対象異方性を仮定した上で、異方性パラメータξを新たに推定パラメータに加え、波形インバージョン法を用いてVs・Vp構造推定を行う。推定された異方性Vs・Vpモデルと既往の等方性Vs・Vpモデルを比較することで、仮定する対称性が推定モデルへもたらす影響を見積もる。また、推定モデルに基づいて古スラブとTBL物質と相互作用について議論する。