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[S12-01]乾燥石英の温度依存摩擦特性と速度状態依存則に基づく不安定すべりの解析

*打越 翔也1,2、佐久間 博2、片山 郁夫3、河合 研志1 (1. 東京大学大学院、2. 物質・材料研究機構、3. 広島大学)
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断層を構成する物質の摩擦実験から、地震を起こすような断層の不安定すべりには水流体の存在が必要であることが知られている[例えば1]。しかし、最近の電磁気観測では、水流体が少ないとされる高比抵抗領域においても地震の震源が観測され[2]、地震発生における水流体の必要性が議論となっている。本研究では地殻に多く含まれるケイ酸塩鉱物の一つである石英の摩擦の安定性を研究対象とし、乾燥・高温条件で二面直接剪断摩擦試験を行った。70 ℃で24時間乾燥させておいた石英粉末を斑れい岩のブロックで挟み、二面直接剪断摩擦試験機のピストンにセットし10 MPaの垂直応力をかけた。試料の温度は30, 100, 200, 300, 400 ℃で一定とした。次に中央のブロックを押して試料に剪断を与えた。途中で0.36, 3.0, 39 µm/sの剪断速度で速度を変化させ、変位と垂直・剪断応力を測定した。得られた垂直・剪断応力から摩擦係数を計算し、速度状態依存則にフィッティングすることで、構成パラメータa, b, a-bの温度依存性を導出した。また、剪断後の回収試料を切り出し、X線CTを用いて組織観察を実施した。本実験の温度範囲でa値の温度に依存した変化は見られず、b値は温度が上がるにつれて大きくなった。また、a-b値はすべての温度範囲で負となり温度が上がるほど減少した。400 ℃ではスティックスリップが起こった。過去の研究では石英のa-b値が負となるのは水流体のある条件のみであり、水流体の関与がすべりの不安定性に必要と考えられていた[1]。しかし、今回の実験は乾燥条件下においても不安定すべりが実現する可能性があることを示した。本発表では、乾燥条件下での不安定すべりの原因を組織観察に基づいて議論する。

引用文献
[1] Masuda K et al. Effects of frictional properties of quartz and feldspar in the crust on the depth extent of the seismogenic zone. Prog. Earth Planet Sci. 2019, 6, 50.
[2] Ichihara H et al. A 3-D electrical resistivity model beneath the focal zone of the 2008 Iwate-Miyagi Nairiku earthquake (M 7.2). Earth Planet Sp. 2014, 66, 50.