Presentation Information
[P060]Change in physical properties of chicken meat by barley flour suspension
*Mayo Tanouchi1, Haruse Fukuda1, Itsuki Ota1, Shinichi Tokishita1, Yoshiyuki Kumazawa1 (1. Tokyo Univ. Pharm. &Life Sci.)
Keywords:
barley,protease
【目的】 大麦は、世界で約1億4千万トンが生産されているアジア原産のイネ科の穀物である。健康価値や保水性が報告されているβグルカンを含む一方、グルテンネットワークを形成しないことから、小麦のような用途では食品加工に用いられてはいない。本研究では大麦粉の用途拡大の可能性を検討することを目的とし、鶏肉物性への影響を評価した。【方法】 大麦粉はもち大麦粉(以下、大麦、はくばく製)を用いた。鶏肉は市販生鮮鶏むね肉を用いた。大麦の一般成分は日本食品分析センターにて分析、βグルカン含量は酵素分解法(K-BGLUキット)により求めた。大麦は1~5%(w/v)懸濁液(pH7)とし、経時的なタンパク質溶解性(Bradford法)及び濃度変化(660nm)を評価した。鶏肉(約20g)に対して、0.25%及び0.75%大麦懸濁液に室温1時間浸漬後、加熱(沸騰水、15分)歩留まり、保水性(遠心上清重量)、水分含量(130℃)を求めた。鶏肉ゲルは、肉重量に対して20%加水、3%食塩、0.7%大麦を添加し、ミキシング後、ケーシング充填(φ30mm)し、加温(40℃、0または30分)、加熱(90℃、30分)し調製した。鶏肉及び鶏肉ゲルの物性は、クリープメーター(φ5mm プランジャー)による破断試験により行った。大麦中の可溶性タンパク質は、陰イオン交換樹脂により回収し、酵素活性(プロテアーゼ、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、トランスグルタミナーゼ(TG)の評価を行った。【結果と考察】 ① 今回評価した大麦は、炭水化物78.1%、タンパク質10%、水分8.7%、脂質2.2%であり、βグルカン含量は、9.4%であった。② pH7ではタンパク質は3時間まで経時的に溶解し、濁度は1時間程度で一定となり、それぞれの成分は可溶化するためにある程度時間を要することが考えられた。③大麦浸漬により、鶏肉の加熱歩留まり及び保水性ともに増加する傾向が認められたが、肉中の水分含量の変化には傾向は認められなかった。また、肉自体のかたさと凹みにも差は認められなかった。④ 鶏肉ゲルの物性は、大麦無添加区では40℃加温により増加する傾向が認められたが、添加区では逆に加温により減少する傾向が認められた。⑤ 大麦可溶性画分と鶏肉アクトミオシンの混合物を40℃で保持したものでは、ミオシン重鎖の減少が認められたが、酵素阻害剤共存下では認められなくなった。また、可溶性画分中にはPDI活性とTG活性は認められなかった。以上より大麦には肉の保水性、歩留まりを増加させる効果が考えられ、また条件によっては内在するプロテアーゼの関与がある可能性が示唆された。
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