講演情報

[1A01]マルチクラスターFaddeev理論による核データの研究1. 背景と基礎方程式の説明

*千葉 敏1、尾立 晋祥2、平塚 靖久2、渡邉 隆2 (1. 株式会社NAT、2. 東京理科大)

キーワード:

核データ、3体核反応、マルチクラスター・ファデーフデーフ理論、凝縮系原子核反応

軽い原子核の核データを計算する場合、少数のクラスターからなる3体系の反応という模型が有効な場合が多い。その場合、シュレーディンガー方程式を単純に3ポテンシャルに拡張した方程式は解の非一意性という問題があり、Faddeev方程式を用いる必要がある。一方、発表以来賛否両論を巻き起こしてきた常温核融合は、2体系ではクーロンバリアのために核反応が起きえない系でZが2単位増えた元素が発見されるなど、3粒子(以上)が関与する反応としか解釈し得ない結果であるためFaddeev理論により3体反応を厳密に扱うことが求められる。本研究ではこれまで3核子系を中心に展開されてきたFaddeev理論を3クラスター系に拡張し適用範囲を広げ、軽い核の核データ計算手法として確立することを目的とする。