講演情報
[1F05]高速飛翔体に対する多層構造による防護設計の検討
*高橋 大輝1、山形 浩史1 (1. 長岡技科大)
キーワード:
多層構造、斜め衝突、数値解析、鉄筋コンクリート(RC)
2011年3月に発生した福島第一原発事故後、原子力規制庁によって新規制基準が制定され、建屋に対する大型航空機衝突への対応に関する項目が追加された。そこで建屋天井と航空機の衝突に着目するとその衝突角は非常に浅いことが想定される。本研究ではこの斜め衝突の際に発生する衝撃力の水平方向の分力に着目し、この分力を逸らすことで建屋の鉄筋コンクリート(RC)への損傷を低減できるのではないかと考えた。そこで本研究では多層構造による防護設計を提案する。多層構造は通常のRC板上に金属板を設置した構造で、これが衝突時に動くことで水平方向分力を逸らすことを期待するものである。この構造の防護効果の検証は縮小模型を用いた斜め衝突実験とその再現解析によって行った。その結果、RCのみの単層構造に比べて多層構造の方がRC板の損傷を低減できることが確認された。また、再現解析から多層構造によってRCの内部エネルギーが減少することが分かった。