講演情報
[1H12]反核子・ 原子核相互作用の探究のための反陽子カルシウム原子の精密X線分光
*樋口 嵩1、藤岡 宏之2、日野 正裕1 (1. 京都大学、2. 東京科学大学)
キーワード:
同位体濃縮、素粒子物理学、原子核物理学、原子物理学、反物質
反陽子がクーロン力で原子核に束縛された系は反陽子原子と呼ばれ、そのエネルギー準位には、反陽子・原子核間の強い相互作用由来のポテンシャルによる寄与が現れる。これを精密X線分光によって決定することで、反陽子・原子核間の相互作用や、原子核の核子分布についての知見が得られる。我々は、特に次世代中性子・反中性子振動探索実験の高感度化の文脈から、反中性子・原子核の散乱長を事前評価する計画を立てている。具体的には、核子分布の不定性が小さいカルシウム原子核の反陽子原子の同位体シフトの測定実験を通じて、反陽子・原子核ポテンシャルの中性子・陽子の密度分布の違いに依存する寄与を調べる計画である。講演では、研究計画の概要、これまでの開発状況と将来計画について述べる。