講演情報

[1H14]東京電力福島第一原子力発電所原子炉建屋内で採取されたスミヤ試料に含まれる90Srの迅速スクリーニング分析法の開発

*島田 亜佐子1、飯田 芳久1 (1. JAEA)

キーワード:

東京電力福島第一原子力発電所、ストロンチウム-90、迅速スクリーニング

東京電力福島第一原子力発電所事故の分析を目的とし、原子炉建屋内で採取されたスミヤ試料の分析を行っており、還元性雰囲気で燃料から放出されやすいFPである90Srを分析対象としている。一般に、90Srの分析は煩雑な化学分離の後、子孫核種である90Yとの放射平衡を待ってから液体シンチレーションカウンタ(LSC)により測定するため時間もかかる。ここで、原子炉建屋内で採取されたスミヤ試料のγ線測定結果では60Co、125Sb、134Cs、137Csが検出されたが、それ以外のγ線放出核種は検出されていない。これらの核種や炉内の主な純β線核種のβ線のエネルギーが90Yより低いことに着目し、137Cs由来のβ線より高エネルギー側のβ線スペクトロメータで直接測定することにより、化学分離なしでスミヤ試料中の90Srを定量する手法を考案した。分析結果はLSCの結果と同程度となり、より迅速な分析が可能となった。