講演情報

[2B07]ラジオクロミックゲル線量計を用いた線量率の経時的変化の推定に関する研究

*成田 亮介1、神戸 正雄2、林 慎一郎3、若林 源一郎4、櫻井 良憲5 (1. 京大・院・工、2. 埼玉大、3. 広国大、4. 近大、5. 京大・複合研)

キーワード:

ホウ素中性子捕捉療法、品質保証、ゲル線量計、線量分布評価、経時的線量率変化

我々は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の品質保証に関する多次元で簡便な測定手法の検討を行っており、空間情報を保持でき、測定が比較的簡便なラジオクロミックゲル線量計に注目している。BNCT装置によってはビーム強度の時間的変動が起こりうる。そこで、ラジオクロミックゲル線量計を用いた線量率分布の経時的変化評価の実現可能性を検討した。実験には主にCo-60ガンマ線源を利用し、内寸が10×10×0.5 cm3、または10×10×1.0 cm3の板状のゲル線量計を複数枚用意した。積層した板状ゲル線量計を20×20×20 cm3の水ファントム内に配置した。ファントムの側面に面光源とカメラを対向に配置し、照射中のゲル線量計の着色の経時的変化を記録した。着色変化率から評価した一層目のゲル線量計の空間平均の線量率は1.0 Gy/minとほぼ一定であり、線源強度から算出したファントム前表面の水吸収線量率と近い数値であった。照射後10 分間において化学的な反応遅延による線量増加は確認されなかった。