講演情報
[2E06]福島第一原子力発電所廃棄物の放射能推算のための核種挙動モデル(3) 60Coの化学形態とその汚染水への移行挙動への影響
*内田 俊介1、木野 千晶2、手塚 健一2、唐沢 英年4、駒 義和3、高畠 容子3 (1. 無所属、2. エネルギー総合工学研究所、3. 日本原子力研究開発機構、4. 八戸工業大学)
キーワード:
福島第一原子力発電所、汚染水、被覆管、60Co、核種挙動
前回の発表で、1Fの60Co発生源が主として燃料表面に付着蓄積したものであることを示した。燃料表面の60Coは、付着初期は鉄クラッドに吸着されて存在するが、最終的には化学的に結合し、Coフェライトとなる。このため事故後、燃料表面からは不溶性の粒子として脱離し、移行する。汚染水を中心とした廃棄物の輸送比(スケーリングファクタ)の基準として60Coを用いる場合、Coと同じ遷移金属である63Niでは適切な代表核種となる。揮発性の137Csではガス系への移行挙動の差異に起因する挙動の乖離がみられる。不揮発性の90Srでは、定性的には同じ挙動を示すが、溶解度差に起因する差異が顕在化している。イオン成分と不溶性成分の移行挙動を把握し、モデル化することで、不溶性のFPの輸送比の基準核種として60Coを適用することが可能である。