講演情報

[2H01]JAEAで開発したソフトドナーを持つ抽出剤やマスキング剤を利用したAn/Ln分離性の比較

*佐々木 祐二1、金子 政志2、伴 康俊、熊谷 友多1 (1. 日本原子力研究開発機構、2. 大阪大学)

キーワード:

アクチノイド、ランタノイド、相互分離、新抽出剤、マスキング剤、ソフトドナー

原子力機構では、これまでに窒素ドナーを持つMIDOAやNTAアミド、硫黄ドナーを持つTDGA抽出剤を開発してきた。また、TALSPEAK法に利用されるDTPAを改良したDTBAマスキング剤も開発した。これら抽出剤や配位子を用いることで、高いAn/Ln分離比が期待できる。そこで、それぞれの抽出条件で分離比の比較を行った。第3級アミン窒素を持つMIDOAやNTAアミドは酸性溶液でプロトン化による立体障害が起こるため、低酸濃度又はpH領域でLnやAnと錯形成する。硫黄ドナーのTDGAはそれらより抽出能力は低い。DTBAは市販のDTPAより水への溶解度が高く、Ln, Anとの錯形成能力も高いが、0 < pH < 2の領域に利用が制限される。工学利用を検討する上では、TODGAを有機相にDTBAを水相に使う条件でのLn/An分離比8.3が優れて高い値である。