講演情報
[2I10]高温環境下におけるカリウムドープタングステンの照射欠陥生成及び重水素滞留挙動評価
*三浦 剣士郎1、星野 柚香1、三福寺 旭1、吉田 直亮2、大矢 恭久1 (1. 静岡大、2. 九州大)
キーワード:
カリウムドープタングステン、水素同位体滞留挙動、照射欠陥
タングステン(W)は核融合炉におけるプラズマ対向材候補として考えられている。しかし、高エネルギー粒子照射による欠陥が生成すると、安定な水素捕捉サイトが形成され、トリチウムインベントリの増加が懸念されている。近年、Wにカリウム(K)を添加したK-doped Wは、核融合炉実環境に近い高温照射環境下においてWの脆化を抑制する効果が報告されているが、水素同位体滞留挙動は十分に理解されていない。本研究では、室温及び高温で鉄イオン照射により欠陥を導入したW及びK-doped Wに対して重水素滞留挙動測定及び欠陥サイズ測定を行い、Kの添加が及ぼす影響を評価した。室温照射において、WとK-doped Wで全体の重水素滞留量に大きな変化は見られなかったが、K-doped WはWと同様な脱離の傾向を示し、特に低温側での脱離量が減少した。K-doped Wでは小さな欠陥が多数生成し、ボイド等の大きな欠陥が少ない可能性が示唆された。発表では高温照射試料の結果についても議論する。