講演情報
[2I14]液体LiPbの凝固収縮過程がα-Al2O3被膜の剥離挙動に及ぼす影響
*二見 彰太1、近藤 正聡1 (1. Science Tokyo)
キーワード:
FeCrAl合金、α-Al2O3被膜、凝固収縮、リチウム鉛合金
核融合炉のトリチウム増殖材として検討されている液体リチウム鉛合金(LiPb)と候補構造材料であるFeCrAl合金の化学的共存性について調べた。FeCrAl合金が形成するα-Al2O3被膜は保護性酸化被膜として機能する。しかし、液体金属中における剥離挙動は明らかにされていない。本研究では、腐食試験終了時に被膜と接液したLiPbが冷えて凝固収縮するプロセスに注目した。FeCrAl合金の試験片表面にα-Al2O3被膜を形成させて、LiPbと一緒にキャプセル封入した。873KのLiPb環境下で100時間の静止場腐食試験を行った後、キャプセルを逆さまにして試験片表面から液体LiPbを分離させた。FeCrAl合金は優れた耐食性を示したものの、被膜へのLiPbの付着状態によらず、被膜の剥離が観察された。被膜と基材の間にLiPbが侵入しており、被膜の剥離に繋がった要因の一つであると考察される。