講演情報

[3H13]照射損傷をもつ原子力構造材料におけるトリチウム及び放射性炭素の移行拡散挙動評価

*奥村 真郷1、早川 歩1、星野 柚香1、小林 真2、小田 卓司3、大矢 恭久1 (1. 静岡大学、2. 核融合研、3. ソウル国立大)

キーワード:

表面分析、照射損傷、原子力構造材料、トリチウム

原子力施設の廃炉に向けて、放射性物質が付着した原子力構造材料の簡易的な除染もしくは安定化が求められる。構造材料は高密度の中性子照射による損傷を受け、形成された照射欠陥に易動性の高いトリチウムや炭素14等の放射性物質が安定的に捕捉され、安全上の懸念が生じる。発表者らは、これまでにSS316L及びZircalloy-2の非照射材における重水素及び炭素の表面化学状態及び深さ方向の分析を行っており、電解チャージ法により導入された重水素は、SS316Lでは表面付近に、Zircalloy-2では酸素濃度が極大となる深さに多く分布していることを明らかにした。本研究では、中性子照射による損傷を模擬した鉄イオン照射により表面近傍に照射欠陥を異なる濃度で導入した試料における重水素及び炭素の化学状態と深さ分布の結果について議論し、重水素及び炭素の移行及び拡散過程のメカニズムに及ぼす照射欠陥影響の実験的解明を目指す。