日本臨床試験学会第16回学術集会総会

座長:櫻井 淳(岡山大学病院　新医療研究開発センター 教授)　演者・シンポジスト:矢野 裕一朗 ( 順天堂大学医学部総合診療科学講座 教授)、沼澤 功太郎(株式会社4DIN)

本セミナーでは、医療データを活用した研究の現状と課題に焦点を当て、データ駆動型研究の新たな可能性とリアルワールドデータ解析を基盤とした革新的な臨床情報分析支援についてご紹介します。第一部では、データ駆動型研究における病院データの活用について、専門家による洞察を深めます。第二部では、弊社の臨床情報分析支援サービスを通じて、医療現場におけるデータ解析の実践的な応用例をご提案します。

演題1:
本講演では、病院内データを活用した現行のデータ駆動型研究の課題と現状を分析し、将来に向けたパーソナライズされたヘルスケアソリューションの可能性について提案する。現在の病院データに基づく健康状態の予測は、患者の日常生活や環境因子を十分に捉えられず、またデータの収集及び解析に時間がかかり、得られた知見を臨床現場にリアルタイムでフィードバックすることが困難であるという課題がある。これに対応するため、個人健康記録（PHR）と病院データの統合が提案されており、患者一人ひとりのライフスタイルや環境因子を考慮した詳細な分析を通じて、より包括的なヘルスケアソリューションを提供することが可能になる。さらに、臨床情報分析支援プラットフォーム『SIMPRESEARCH』リサーチやラーニング・ヘルス・システムや活用することで、臨床現場で得られた知見をリアルタイムで活用することができるようになる。この進展には、技術革新と政策的支援が不可欠であり、研究者、医療従事者、政策立案者が協力することで、包括的な健康管理を実現するためのデータ駆動型研究が重要な役割を果たす。この点について、本講演で議論する。

演題2:
株式会社4DINが提供する臨床情報分析支援プラットフォーム「SIMPRESEARCH」を中心に、リアルワールドデータ解析を活用した医療現場での応用事例をご紹介し、研究者や医療従事者が直面する課題をどのように解決できるかをご提案します。