[参加無料] 学会横断テーマ/学会連携企画プログラム
・聴講無料
・事前登録不要
[F263] 学会横断テーマ「持続可能社会の実現に向けた技術開発と社会実装」
ー脱炭素社会における熱受給の将来構成と機械技術者に対する期待ー
開催日時:2025年9月9日(火)13:15-15:15
会場:第5室(B32)
開催趣旨:パリ協定を踏まえ,我が国は「温室効果ガス排出を2050年までに実質ゼロを目指す」と謳った。難しい課題であるが、視点を変えるならばエネルギー自給のほか、資金の自国内循環による経済活性化にもつながる可能性がある。企画5回目となる今年は、再生可能エネルギーを含めた電力の安定供給の現状と将来について、「脱炭素」という社会課題に対しての各分野からの取り組みを講演戴く。条件により様々に選択肢が変化するテーマであるが、ゴールを見据えた将来社会像から逆算して論じるならば、選択肢は概ね見えてくるものと期待される。本会会員のチャレンジ意欲に対する刺激となる企画としたい。
企画チームリーダー:津島将司(大阪大学)
プログラム:
司会 津島将司(大阪大学)
1)13:15~13:45 第7次エネルギー基本計画の概要と熱エネルギーを含めたシステム的対応
秋元圭吾(地球環境産業技術研究機構)
2)13:45~14:15 再生可能エネルギー主力化と需給調整力市場
浅野浩志(東京科学大学/岐阜大学)
3)14:15~14:45 脱炭素社会を切り拓くエレクトロヒート 〜熱利用地点から始まる革新とものづくり現場の電化促進〜
庄司崇彦(日本エレクトロヒートセンター)
4)14:45~15:15 総合討論 講師全員
[F264] 学会横断テーマ「循環経済の実現に向けた機械工学の役割」
開催日時:2025年9月9日(火)13:00-15:00
会場:第1室(日本製鉄オープンホール)
概要:今後の経済活動において、短期的な利益や物質的豊かさを追求する成長モデルから脱却し、資源の投入量や消費量を抑えつつ、ストックを有効利用しながら付加価値の最大化を図る循環経済を目指していく必要がある。デジタル技術の発展や環境配慮への社会的要請の高まりを牽引力に、新たな産業競争力の強化につなげていくことを目指している。あらゆる産業が従来の3R (Reduce, Reuse, Recycle)の延長ではなく、「環境と成長の好循環」につなげる新たなビジネスチャンスと捉え、経営戦略・事業戦略としてビジネスモデルの転換を図っていく必要がある。このような背景において、学術界、産業界から求められる機械工学の役割について、情報発信すると共に、新たな学術領域や産学連携の可能性についても検討する。
企画チームリーダー:小野田弘士(早稲田大学)
プログラム:
・産学官連携によるサーキュラーエコノミーの推進
増井慶次郎(産業技術総合研究所 日立-産総研サーキュラーエコノミー連携研究ラボ)
サーキュラーエコノミー(CE)に関する研究開発推進のため、2022年10月に日立-産総研CE連携研究ラボが設立され、LCA、資源回収、モノづくりやサービス工学の専門家40数名が共同研究に参画し、グランドデザイン、デジタルソリューション、ルールの標準化を三位一体で推し進めている。本講演では、ありたきCE社会像、それを支えるライフサイクルシミュレーション技術やCE指標の開発状況等について紹介する。
・そば殻を原料にした低コストバイオコークス製造技術
矢嶋尊(エア・ウォーター北海道)
現在の脱炭素事業はFITや値差保証などの補助金なしで採算事業として恒久的に成立するものがほぼない。一方でバイオコークスは技術ハードルが低く、製造コストも低く抑えられる可能性が高いため採算性が得られる脱炭素事業として期待されている。日本一の蕎麦の産地である幌加内町にて「そば殻を原料に用いた低コストバイオコークス製造技術の実証事業」を行い、かつ循環型農業との組み合わせを検討した。
・循環経済におけるごみ焼却施設の役割(環境工学総合シンポジウム報告)
太田 智久(タクマ)
北見工業大学で7月18日(金)~21日(月)に開催された第35回環境工学総合シンポジウムでオーガナイズドセッション「ごみ焼却施設の現状と課題」を実施し、環境プラントメーカー7社から12件のごみ焼却施設に関する技術報告が行われた。本報告と、循環経済に向けたごみ焼却施設の役割について考察する。
・全体討論
[F265] 学会横断テーマ「機械と情報通信の融合で実現する人間中心の未来社会」[電子情報通信学会 合同企画]
生産現場におけるウェルビーイングの実現に向けて
開催日時:2025年9月9日(火)13:15-15:15
会場:第4室(B31)及びオンライン(聴講用)
概要:第6期科学技術・イノベーション基本計画では、目指す社会(Society 5.0)を「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靭な社会」および「一人ひとりの多様な幸せ(well-being)が実現できる社会」としている。このためには、人間が活動する空間と情報空間を融合し、その中から安全と安心を基盤とした新たな価値を創出することが求められている。特に、少子高齢化社会に直面する我が国の生産現場においては、これまでの人が機械を使うだけの関係から、人と機械が高度に協調する関係に変えることで、自動化・省人化を推進する必要がある。そのために必要になるのは、生活空間における人間の行動、感覚、思考に至るまでデータとして収集しモデル化する技術と共に、情報空間との高度なインターフェースであり、これらは日常生活空間における人と機械の協調の実現にもつながる。人と機械がコミュニケーションを取り合って、安全で安心な人間中心の社会を築くために、分野を超えて我々の貢献すべき方向性をより実践的な視点で議論する。
企画チームリーダー:多田充徳(産総研)
プログラム:
・ロボティクスによる社会課題解決に向けた取り組み
川崎重工業 蓮沼仁志
川崎重工のロボットビジネスについて紹介する。また、ソーシャルロボットは産業ロボットと異なり、柔軟性とサービス提供が重視され、ビジネスは「モノ売り」から「コト売り」へ転換。社会課題解決に向け、AI活用による安全性確保と評価の重要性を示し、人間中心で安心・信頼性あるロボット社会の実現を目指す。
・理工学系学生向け労働安全衛生教育の重要性-国際規格とリスクアセスメントとウェルビーイングと
長岡技術科学大学 北條理恵子
近年、国内でもリスクアセスメント(RA)の義務化の要望が高まっている。厚生労働省以外でもRAを必要とするところが相次ぎ、国際規格と相まってその重要性が増している。それに伴い、設計・製造者に加えて、RAのエンドユーザに対する真の意味での有用性の理解が必要と思われる。これらの社会ニーズに見合った人材育成をめざし、日本機械学会の産業・化学機械と安全部門では、「理工系学生向け労働安全衛生教育研究会」を立ち上げ、活動を開始した。本講演では、その意義と活動の内容を述べる。
・機械とAIガバナンス
KDDI 高木幸一
人と機械の協調を考える上で、AIは極めて重要な技術である。AIを活用し、安全で安心な人間中心の社会を実現するためには、さまざまなステークホルダーがAIガバナンスの重要性を認識し、積極的に取り組む必要がある。そこで、国内外の最新のAIガバナンスに関する議論の動向と、特に機械分野において意識すべきポイントを共有する。
・大阪・関西万博での国際機関との協創とウェルビーイング・テック推進における日本のリーダーシップ
一般社団法人セーフティグローバル推進機構 藤田俊弘
GISHW(Global Initiative for Safety, Health and Well-being @EXPO2025 and Beyond)は、万博史上初の「安全・健康・ウェルビーイング」イベントを世界57か国からの参加者と2025年7月開催、2030年サウジアラビア・リヤド万博での継続開催が確定した。日本がリードするウェルビーイング・テックの重要性が認識され、その内容と今後について展望する。
[F266] 学会横断テーマ「医工学の深化融合による健康・医療技術のさらなる発展を目指して」
「バイオメカニクスから医療応用への展開:研究、臨床、医療産業政策の最前線」
開催日時:2025年9月9日(火)13:15-15:15
会場:第2室(B11)
概要:日本が世界に先んじて超高齢化社会となる中、健康寿命を延伸するとともに、質の高い医療をサステイナブルな形で提供することが喫緊の課題である。これらを解決するためには、医療と工学のたゆまない深化融合が不可欠である。本会においても2009年に医工学テクノロジー推進会議が発足し、部門横断で健康・医療分野におけるニーズの把握と共に、学問としてのテクノロジーを追求する活動を推進している。
今回はバイオメカニクス的な視点から、研究、ご献体による臨床医学、経産省の医療産業政策と研究から産業まで幅広い分野での医工学連携に関する話題提供をしていただき、健康・医療技術の最前線をご紹介する。
企画チームリーダー:葭仲 潔(産総研)
プログラム:
・「マイクロ・ナノスケールで見る生体硬組織のメカニズムと臨床への応用を目指して」
北海道大学大学院工学研究院機械・宇宙航空工学部門 バイオメカニカルデザイン研究室 教授 東藤正浩
・「医療機器開発におけるカダバースタディーに関するガイダンス」とご献体を使用した臨床医学の 教育・研究の可能性
北海道大学病院 消化器外科II 診療教授/ 先端医療技術教育研究開発センター センター長 七戸俊明
・経済産業省における医療機器産業政策について
経済産業省 商務・サービスグループ 医療福祉機器産業室 室長補佐 疋島啓吾
※講演はそれぞれ30分、質疑&パネルディスカッションで30分、合計2時間の予定。
[F267] 機械技術史のあり方を考える
開催日時:2025年9月9日(火)10:00-12:00
会場:第1室(日本製鉄オープンホール)
概要:我が国では技術史に関連しては多くの論文や著作物があるが、その多くは必ずしも工学教育の中において位置付けられてはいないように思える。特に機械工学分野では、国立科学博物館における系統化調査が特定の技術の全体像を見渡す上で良くまとまっているが、残念ながら大学、高専の技術教育の中に組み込まれてはいない。
最先端の研究も現在の基盤技術開発においても基本的には少なくとも過去数百年の蓄積の上に成り立っており、そのような背景を無視しては、今後の我が国の技術はあり得ない。このことは明治のお雇い外国人教師でもあったBerzが、「日本は明治以来その時々の先端の花だけを摘み取って、背景にある思想や基本的な理念を疎かにしている。」と述べたことにも表れている。そこで機械学会とし、改めて機械技術史のあり方について議論をしたい。今回は、文化庁と国立科学博物館における技術史あるいは技術に関連した各種遺物などに関するお話しと、鉄道を事例に取り上げ、技術史とそれを工学あるいは技術教育にどのように組み込むかの課題について議論する。
司会 関西大学 小澤守
・鉄道の技術史 サレジオ高専 堤 一郎
・機械系資料の保存の現場から 国立科学博物館産業技術史資料情報センター長 前島正裕
・機械類の文化財保護のあゆみと課題 文化庁 地主智彦
・パネルディスカッション
[J401/F268]大型機械の遠隔操作・監視・点検[理事会, 日本クレーン協会]
開催日時:2025年9月9日(火) 9:30~11:30
会場:第3室(B12)
司会:皆川 佳祐 (埼玉工業大学)
・会長挨拶 日本クレーン協会 会長 森下 信
・[J401-01]4自由度の油圧ショベルに対する状態推定を用いた安定化制御
〇留田 歩武1、橋本 智昭1 (1. 大阪工業大学)
・[J401-02]ロバスト安定化修正PID制御のパラメータ調整
〇阿部 悠也1 (1. 埼玉工業大学)
・[J401-03]張力変動型U曲げ疲労試験によるクレーン用ワイヤロープの疲労寿命に及ぼす除荷の影響‐IWRC 6×fi(29)の場合
〇山口 篤志1、緒方 公俊1、本田 尚1、山際 謙太1 (1. 労働安全衛生総合研究所)
・[F268-2]GNSS全球測位衛星を利用したクレーン衝突危険警報装置【クレーンアシスト】の紹介
栗毛野 浩一 (㈱エスシー・マシーナリ),向井 仁志(AITOYA㈱)
・会長挨拶 日本機械学会 会長 岩城智香子