講演情報

[健康福祉-SA-2]女性の健康と「骨盤底フレイル」

*大高 千明1 (1. 奈良女子大学研究院工学系)
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<演者略歴>
奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。奈良女子大学研究院生活環境科学系助教を経て、2022年より同大学研究院工学系専任講師。専門は、バイオメカニクス、発育発達、介護予防・健康づくり。バイオメカニクスの研究手法を軸に、女性の健康に関する骨盤底ケア・フレイル研究に着手している。
健康寿命の延伸、健やかな生活に向けて、多方面で様々なフレイル対策が行われているが、骨盤底フレイル(骨盤底機能不全)による骨盤臓器脱や尿失禁などのトラブルに対する予防や改善に向けた取り組みは不十分な現状がある。骨盤臓器脱や尿失禁などは、プライベートな問題を含み、明るみに出にくいことから、隠れたハイリスク者が多く存在するといわれている。生命に直結することではないため、医療分野において積極的な治療が進んでいないが、不快感に悩まされるだけなく、趣味や仕事など行動の制限から、引きこもりや離職など社会的な影響まで、さまざまな問題に繋がるため、生活の質(quality of life : QoL)を豊かにしていく上で、看過できない。そのため、骨盤底フレイルの予防・改善に向けた取り組みは、喫緊に解決すべき課題であると考えられる。男性と女性、それぞれに特有の骨盤底機能障害がみられるが、特に女性の場合、妊娠出産などライフイベントの影響から、骨盤底の支持組織が弱化しやすく、トラブルが生じやすい。
本報告では、女性を対象に開発・作成した「骨盤底機能年齢推定式」や、骨盤底機能と生活習慣や体力・運動能力との関連について紹介するとともに、骨盤底フレイルの予防啓発に向けて、どのような取り組みが必要であるのか考えていきたい。

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