講演情報
[健康福祉-SA-3]eスポーツはフレイル対抗策となるか?運動との併用効果検証
*松井 崇1 (1. 筑波大学体育系)
<演者略歴>
筑波大学体育専門学群(柔道部)卒業。同大学院体育科学専攻(運動生化学)修了。博士(体育科学)。新潟医療福祉大学(学振SPD)、スペイン国立カハール研究所を経て2015年より現職。全柔連科学研究部、筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター、同大学健幸ライフスタイル開発研究センターを兼務。
筑波大学体育専門学群(柔道部)卒業。同大学院体育科学専攻(運動生化学)修了。博士(体育科学)。新潟医療福祉大学(学振SPD)、スペイン国立カハール研究所を経て2015年より現職。全柔連科学研究部、筑波大学スポーツイノベーション開発研究センター、同大学健幸ライフスタイル開発研究センターを兼務。
孤独は運動不足や肥満よりも重大な心身の健康リスクであり、フレイル予防には運動、栄養、休養とともに社会参加が重要である。1人でする運動は心身の健康を増進するが、孤独解消には直結しない。一方、他者と対戦を楽しむスポーツは孤独解消に寄与しうるが、プレーに体力水準の壁がある。この壁を越える一策として、ビデオゲームの対戦によるeスポーツが期待される。私どもは、eスポーツのオフライン(対面)プレーが、オンラインとは異なり、絆ホルモン「オキシトシン(OT)」を通じて若者の絆形成に寄与することを報告した(Matsui、ICSSPE、2024)。この際、心拍数や笑顔の同調が対面でのみ生じ、免疫機能も亢進する。高齢者におけるeスポーツの対面プレーは、若者と同様に笑顔の時間と強度を増やし、動的なプレー姿勢を引き出す。日頃軽運動に取り組む高齢者がeスポーツの対面プレーを3ヶ月間追加実施したところ、ストループ課題で評価した実行機能がOTや心理的絆と関連して脳トレビデオ鑑賞よりも向上する。したがって、eスポーツの対面プレーはOTによる絆形成を通じて高齢者の認知機能に及ぼす運動効果を増強するフレイル対抗策となりうる。
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