講演情報
[11教-ポ-01]北海道稚内市における「通年型カーリング場」の完成を契機とした「カーリング授業」導入と「スキー授業」廃止の経緯稚内市内の校長経験者へのインタビュー調査から
*侘美 俊輔1、水嶋 星陽2 (1. 育英館大学、2. 稚内市立潮見が丘中学校)
中学校学習指導要領「保健体育科」(平成29年告示)では,「自然と関わりの深いスキー,スケートや水辺の活動などの指導については,学校や地域の実態に応じて積極的に行うことに留意するものとする」とされる.これまで北海道稚内市内の小,中,高の各学校では,スキー授業を実施することが慣例とされていた.しかしながら,三浦ら(2006)によるとスキー授業の課題として「学習指導・計画の作成等(天候など)」,「指導面(指導者数・指導者の技能)」があると指摘され,「スキー授業」は学校側に多くの労力,負担をかけながら実施されてきたことが推察される.
2020年5月,稚内市に「通年型」のカーリング場が完成したことを契機に,市内の多くの学校では,「スキー授業から,カーリング授業への転換」が見られた.しかしながら,この転換の経緯について書面等による記録がほとんど残されてない.
そこで,本発表の目的は稚内市内でなぜ「スキー授業からカーリング授業への転換」が見られたのかという問いを,当時の経緯を知る校長へのインタビュー調査から,「学校や地域の実態に応じて積極的に行う」体育授業の重要性や,教師の「困り感」を問うことである.
結果として,ただし学校現場において,潜在的に「スキー授業」は,天候などの影響を大きく受けることから計画的に授業を進めにくい教材として「悩みの種」の1つであったものと推察される.一方の「カーリング場」は,授業を計画的に進めやすく,「通年型カーリング場」を有する「地域の特徴を」前面に出し,「保護者への負担がない」という「三方良し」である推察される.
結論として,校長会などの合意ではなく「各学校による判断の結果」であるとはいうものの,「スキー授業からカーリング授業への転換」が「わずか3年」というスピード感を持って達成されたことは,決して偶然の産物ではないものと推察される.
2020年5月,稚内市に「通年型」のカーリング場が完成したことを契機に,市内の多くの学校では,「スキー授業から,カーリング授業への転換」が見られた.しかしながら,この転換の経緯について書面等による記録がほとんど残されてない.
そこで,本発表の目的は稚内市内でなぜ「スキー授業からカーリング授業への転換」が見られたのかという問いを,当時の経緯を知る校長へのインタビュー調査から,「学校や地域の実態に応じて積極的に行う」体育授業の重要性や,教師の「困り感」を問うことである.
結果として,ただし学校現場において,潜在的に「スキー授業」は,天候などの影響を大きく受けることから計画的に授業を進めにくい教材として「悩みの種」の1つであったものと推察される.一方の「カーリング場」は,授業を計画的に進めやすく,「通年型カーリング場」を有する「地域の特徴を」前面に出し,「保護者への負担がない」という「三方良し」である推察される.
結論として,校長会などの合意ではなく「各学校による判断の結果」であるとはいうものの,「スキー授業からカーリング授業への転換」が「わずか3年」というスピード感を持って達成されたことは,決して偶然の産物ではないものと推察される.
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