講演情報
[11教-ポ-03]女子少年院における矯正教育「体育指導」に関する調査研究
*矢幅 照幸1、神 雄平2、崎田 嘉寛3 (1. 北海道大学大学院、2. 紫明女子学院、3. 北海道大学)
法務省が所管する少年院は、矯正教育及び必要な処遇を行う施設である(少年院法、2014)。矯正教育における教育課程は、「矯正教育課程に関する訓令」(法務省、2015)に基づいており、その教育内容は年齢、犯罪傾向、心身の状況等によって指定される(少年院法、2014)。また、修得した内容によっては、高等学校の単位として置き換えることができる(学校教育法施行規則、2021)。なお、少年院に在院する者の内、男子3割と女子5割は、特別な支援を必要とする教育課程が適用されており、この内、発達障害の可能性がある「N3」課程は約半数に及ぶ(少年矯正統計調査、2024)。筆者(2003)は、これまで男子少年院における「体育指導」について実態調査を実施し、義務教育学校との比較を通じて、実践の効果と課題を把握し、「体育指導」カリキュラムを検討してきた。他方で、女子少年院の「体育指導」に関しては、佐藤(2022)の実践報告があるのみである。そこで、本研究は、矯正体育学を構想することを企図し、女子少年院における矯正教育「体育指導」の状況を調査し、その特徴を明らかにすることを目的とした。具体的には、複数の矯正教育課程において指導計画と指導実績を有する紫明女子学院(北海道)を対象として、女子少年院における「体育指導」の状況を調査した。この結果、同院における「体育指導」は、週4単位時間(1単位時間50分)、年間208時間(実時間は173.3時間)設定されていた。「体育指導」の内容は、「スポーツ」(バドミントン、ソフトボール、ミニバレーボール)及び体育行事での発表を企図した「ダンス」となっていた。また、独自の徒手体操である「紫明体操」とサーキットトレーニングを中心とした体力づくりが位置づけられていた。さらに、月に1-2単位程度、外部講師の指導によるヨガ、エアロビクス、ビジョントレーニングが取り入れられていた。
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