講演情報

[11教-ポ-10]大学体育授業における社会人基礎力ルーブリックによるリフレクションの効果

*平工 志穂1、藤田 恵理2、滝 聖子3、小林 勝法4 (1. 東京女子大学、2. 帝京大学、3. 千葉工業大学、4. 文教大学)
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社会人基礎力は、職場や地域社会で多様な人々とともに仕事をするうえで必要な基礎的な能力であり、前に踏み出す力(アクション)、考え抜く力(シンキング)、チームで働く力(チームワーク)の3つの能力と、それを細分化した12の能力要素(主体性、働きかける力、実行力、課題発見力、計画力、創造力、発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力)から構成される。社会人基礎力は大学生にしっかりと身に着けてもらいたい能力であり、その手法の開発は急務である。筆者らは大学授業での実施を念頭に社会人基礎力ルーブリックを開発し、授業でリフレクションすることによる能力の向上について介入調査を実施した。
 ルーブリックは12の能力要素を観点とし5尺度で評価基準を作成した。関東圏の女子大学の大学体育授業(1年次必修)において、リフレクション実施授業と非実施授業を設定し、実施授業では授業終了直前に社会人基礎力ルーブリックを用いて授業における活動について自己評価を求めた。このリフレクションは8週間にわたって実施した。
 リフレクション実施授業、非実施授業共に、8週間のリフレクション授業期間の直前直後の授業において、NPO法人日本インターンシップ推進協議会が提供している社会人基礎力評価シートを参照した質問紙(36項目)に5段階評価で回答を求め、社会人基礎力を評価した。
 社会人基礎力の3つの能力、12の能力要素について、リフレクションの有無、調査時期について2要因分散分析を実施した結果、能力では前に踏み出す力、能力要素では主体性と創造力で交互作用がみられた。これらは体育実技を教材とした授業に特徴的な結果であり、大学体育授業において社会人基礎力ルーブリックを用いてリフレクションを行うことは前に踏み出す力(アクション)等の向上に有意義であると思われる。

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