講演情報
[11教-ポ-13]ダンス授業における動きを引き出す手立ての検討リズム太鼓に着目して
*吉田 朱璃1、宮本 乙女1 (1. 日本女子体育大学)
リズム太鼓は、古代から舞踊家や音楽家によって使用されている。舞踊家の一人であるメリー・ヴィグマンは舞踊本来の型式や形態を見出すための運動形成に向けて、既成音楽から離れて、ゴングや太鼓などの打楽器を用いていた(安則,2017)。また、音楽、舞踏、体育を総合した教育が行われていたギュンター・シューレでも、打楽器やリズム太鼓が用いられていた(飯島,2007)。そして、現代のダンス授業の指導場面においてもリズム太鼓が多用されており、栗原(2000)は動き・イメージを引き出すための伴奏として活用できると述べている。しかし、指導本では多く紹介されているにも関わらず、現代のダンス授業におけるリズム太鼓を用いた指導の実践に関する先行研究が見られない。リズム太鼓を効果的に用いた指導を行っている教師は、どのように使用しているのだろうか。本研究では、ダンス授業におけるリズム太鼓を用いた指導に着目し、動きやイメージを引き出す効果的な使用法について検討することを目的とした。研究対象は、教師向け指導本などを執筆しているベテラン教師(教師歴20年以上)で、小学校教員1名、中学校教員1名、高等学校教員1名の計3名とした。研究方法は、教師行動を撮影及び分析し、分析結果に基づいて半構造化インタビューを行った。その後、インタビュー内容を逐語録化し、分析を行った。その結果、3名すべての教員に共通して、「児童生徒から引き出したい動きが具体的であること」、「児童生徒の動きに対応してリズム太鼓をたたいていること」が明らかになった。また、小学生を対象とした授業では、イメージを引き出すことに特に重点を置いた使用が認められた。中学生及び高校生を対象とした授業では、イメージを引き出すことに加えて動きを引き出すことに重点を置いた使用が認められており、校種による違いも明らかになった。
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