講演情報

[11教-ポ-19]中学・高校で受講したダンス授業の内容・印象とダンスの認識の関連女子大学生へのアンケート調査から

*岡 千春1、杉山 りん2 (1. お茶の水女子大学、2. お茶の水女子大学大学院)
PDFダウンロードPDFダウンロード
小学校期から高等学校期までの各学校期の体育授業への好感度は、大学生時の運動習慣の形成と関連しており、特に中学期以降の体育授業への好意的感情は運動習慣の形成や定着を促進させることが示されている(重松ら2015、山本ら2024)。また、男女必修化から10年以上が経過した中学校でのダンス授業においては、「現代的なリズムのダンス」の実施率が最も高いといわれている(中村2010)。筆者は中学・高校で受講するダンス授業の内容と印象が、ダンスへの関心や意欲、生涯学習としてのダンスの認識に影響すると予測する。そこで本研究では、2024年現在の大学生が中学期・高校期に受けてきたダンス授業の内容およびその印象が、その後のダンスへの認識へ影響を与えるか否か、与える場合はどのように影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目的とする。
調査はO大学2023年度・2024年度入学の女子大学生(有効回答数:951)を対象とし、中学・高校でのダンス授業経験とその内容・印象、現在のダンスへの認識を問う質問紙調査として実施した。
対象者のダンス授業の受講率は中学期で90%、高校期で67%であった。受講したダンス授業の内容をみると、中学・高校共に「創作ダンス」の実施率が最も高く、次いで「現代的なリズムのダンス」であった。ダンス授業への印象について5件法で回答を求めたところ、中学期では好意的印象(「好き」「まあまあ好き」)が53.2%、非好意的印象(「あまり好きではない」「嫌い」)が31.5%であり、高校期では好意的印象が61%、非好意的印象が24%であった。中学でのダンス授業の印象が好意的であった「好意群」のうち56%が大学生期以降のダンス活動に意欲を示しているが、「非好意群」で意欲があるのは20%であった。以上より、受講したダンス授業の印象はその後のダンスへの認識に影響を与える可能性が示唆された。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン