講演情報

[11教-ポ-22]中学校保健体育科ダンス授業の経験と印象の関連について女子大学生を対象とした質問紙調査より

*杉山 りん1、岡 千春2 (1. お茶の水女子大学大学院、2. お茶の水女子大学)
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中学校保健体育科の1,2年生でダンスが必修化され10年以上が経過し、授業実践(梅垣ら,2022)や指導方法、教員の意識調査(寺山ら,2020;若井ら,2021)などの研究が報告されてきている。その中で、生徒によるダンス授業の捉え方について、木山ら(2024)のように中学校におけるダンス授業実践とその学習カードや形成的授業評価をもとに到達度や意欲を調査した研究は見られるが、生徒がどのような授業を受けたのか、そしてその授業に対する嗜好性について経験を振り返る形式で調査した研究は見られない。
 そこで本研究では、O大学2023年度入学生・2024年度入学生のうち、生年が2003年~2006年であり、日本国内の中学校・高等学校を卒業した女子大生(有効回答数:850)を対象として質問紙調査を実施した(調査時期:2023年4月・2024年4月)。特に今回は中学校で受講してきたダンス授業の内容と、そのダンス授業に対する嗜好性に注目して自由記述をテキストマイニング分析し、授業内容とその授業の印象の関連を明らかにすることとした。
 ダンス授業の印象については5件法で回答を求めた。結果としては、「とても好き」が13%、「まあまあ好き」が40%、「どちらでもない」が15%、「あまり好きではない」が25%、「嫌い」が7%であった。それぞれの回答ごとに、どのようなダンス授業内容を受講してきたのかについて質問した自由記述の回答内容をKH Coderを用いて頻出語上位5位を抽出したところ、全ての回答において「発表」が最も多く、順位の入れ替わりはみられたものの、「曲」「体育館」「グループ」「ダンス」が続いた。これらの結果より、ダンス授業に対する印象は授業内容にかかわらず生じており、授業以外の場で影響を受け、ダンスの印象が形成されている可能性が考えられる。

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