講演情報

[11教-ポ-26]自他との対話に着眼した指導が持久走の愛好度へ及ぼす影響小学校3年生児童を対象として

*上西 逸太1 (1. 兵庫教育大学)
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街を見渡せば,日常的に多くの人がジョギングやランニングをしている。一人で走る者,家族や友人と走る者,また,健康づくり,体力づくり,さらには社交の場など,多様な形態,多様な目的でジョギングやランニングを行っている。これはジョギングやランニングの運動形態が,生涯スポーツの理念「国民の誰もが,それぞれの体力や年齢,技術,興味・目的に応じて,いつでも,どこでも,いつまでもスポーツに親しむこと」(文科省2000)に合致しているからだと考えられる。しかし,学校体育においては,ジョギングやランニングのような長い距離を走る持久走は,子どもには否定的に受け止められ,取り扱いにくい教材であると指摘されている(馬淵2015,露木ら2016)。露木ら(2016)は,「長く走り続けることに伴う主観的なきつさ(運動強度)に加え,学校体育における持久走の競争的な扱いによるものであることが考えられる」と述べている。つまり,持久走の長距離走化が持久走嫌いの子どもを多くしている要因の一つと考えられるが,そもそも持久走が本来持っている魅力とは何であろうか。齋藤ら(2016)はランニングの魅力を,「他の一般市民ランナーのリズムと重なり合い,それに心地よさを感じながら【重層的なリズムを形成】」すること,また「気候や走路の変化にも対応できるようになり,【体力の向上を実感】していく」ことだと述べている。すなわち,持久走の魅力は,自分と場を含む他者や自然との対話であると考えることができる。
 しかしながら,先行研究では,持久走の長距離走化の解決をめざし,競争的要素を排除した実践が多くみられるが,持久走本来の魅力にふれる実践研究は管見の範囲ではみられなかった。
 そこで本研究では,自他との対話に着眼した指導が持久走への愛好度にどのような影響を与えるのかを検討することを目的とした。

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