講演情報

[11教-ポ-38]小学校における体育科の授業づくりに関する事例的検討校内研修後のインタビューを手がかりに

*石井 郁1、中川 麻衣子1、米谷 正造1 (1. 川崎医療福祉大学)
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小学校期は、子どもの運動機能が著しく向上する時期であり、小学校高学年では神経系の発達がほぼ完成に近づき、スポーツ技術の基本構造を習得させることに最も適した時期であることが報告されている(松田,2011)。そのため、小学校期における体育授業は、子どもが様々な運動種目を経験する場として重要な役割を担っている。ところが、四方田・岡出(2020)は、小学校教員の体育の教材研究に費やす時間が少ないことを指摘しており、関ほか(2024)は、体育授業に対して苦手意識を持つ小学校教員が多く存在していることを述べている。したがって、小学校教員の中には、体育の授業実践に苦手意識があるにも関わらず、体育の教材研究が十分にできていない教員がいることが推察され、体育科の教材研究を行う機会の保証が必要である。その方法の一つが校内研修ではないだろうか。本研究は、小学校で実施された体育科の校内研修に着目し、小学校教員はどのように体育科の授業づくりを行うのか、という点を事例的に整理することを目的とした。本研究で対象としたA小学校での校内研修は、単元の1回目をゲストティーチャー(以下,GT)が授業を実践し、2回目以降は担任教員が授業を実践するという形態であった。単元終了後に、半構造化インタビュー調査を実施し、データは質的帰納的に分析した。分析の結果、A小学校の教員は、GTによる授業実践の内容を踏まえて、クラスの児童の実態に合わせながら、2回目以降の授業づくりを行っていたことを語った。具体的には、1回目の授業でGTが実践した学習内容の中で、補助運動や児童との対話的な振り返りが有効だと捉え、2回目以降の授業で実践したというものであった。さらに、A小学校では、校内研修の実施が、教員間での授業づくりに関するアイデアや児童の授業中の姿を共有する機会に繋がり、校内での体育科の授業づくりが活発になったという語りが見られた。

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