講演情報

[03心-ポ-61]大学トップレベルのハンドボール選手が捉える試合中の「流れ」

*大西 壮流1、竹中 優子1、田中 良2、平川 武仁2、土屋 裕睦2 (1. 大阪体育大学大学院、2. 大阪体育大学)
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ハンドボールは、1チーム最大7名の選手がコートに出場し、2つのチームが一定時間内に得点を競い合うゴール型競技である(日本ハンドボール協会、2023)。ハンドボールのようなゴール型競技における試合の状況の変遷に「流れ」という言葉が使われることがある。「流れ」と関係がある要因は、得失点や試合状況など、様々である(例えば、淺井、2019;淺井・佐川、2013)。しかし、実際に出場した試合について、選手の目線で、この「流れ」を十分に検討してきたとは言えない。そこで、本研究の目的は、大学トップレベルのハンドボール選手が試合中に知覚する試合の「流れ」の転換点を明らかにすることであった。調査対象者は、大学のハンドボール部に所属している選手8名(男性3名、女性5名:平均年齢21±0.71歳)であった。調査方法では、ライフライン・インタビュー法(川島、2007)に基づいて、まず対象とした試合の映像視聴をしながら、タイムラインを作成してもらい、そのタイムラインをもとに、インタビューガイドに沿って半構造化インタビューを実施した。インタビュー調査で得られた音声データについて、逐語録を作成し、KJ法(川喜多、1967、1970;田中、2012)により整理・集約した。また、「流れ」の転換点を、良い・悪いの2つのカテゴリーに分類し、それぞれ分析した。その結果、「流れ」が良くなる転換点、および「流れ」が悪くなる転換点の大カテゴリーとして、得失点や戦術などの『競技的要因』、選手自身のモチベーションなどの『心理的要因』、雰囲気などの『環境的要因』、過去の結果などの『ヒストリー的要因』の4つが生成された。これらの結果は、選手は、過去のパフォーマンスが試合中の「流れ」が転換する要因であると捉えていること、チームとして、多くの成功体験を積み重ねる取り組みが「流れ」が良いと捉えること、につながる可能性を示唆している。

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