講演情報
[O-1-2]糖尿病足病変患者に対して理学療法士が介入し、手術的免荷(Surgical off – loading)の治療選択の一助となった症例について
*原島 史哉1、菊池 恭太2、佐々木 成紗1、富田 益臣3 (1. 医療法人社団青泉会下北沢病院リハビリテーション科、2. 医療法人社団青泉会下北沢病院下肢・足病総合センター、3. 医療法人社団青泉会下北沢病院糖尿病センター)
キーワード:
Surgical off – loading、手術的免荷、off – loading
背景:当院は、足と糖尿病の専門病院で糖尿病足病変患者の治療も行っている。糖尿病足病変患者に対する治療期の創傷部位のoff-loadingについては、IWGDF off-loading Guidelineでは免荷装具の使用などが推奨されているが、非外科的免荷治療が失敗した場合は、Surgical off – loading(以下 手術的免荷)を用いるとされている。糖尿病足病変に対しての再発予防期の理学療法士(以下 PT)の介入は徐々に拡大してきているが、足病変再発を見据えてのoff-loadingの選択においてPTが介入した報告は少ない。目的:今回手術的免荷の選択や免荷装具調整にPTが介入し治療選択の一助となった症例について報告する。対象:症例は2型糖尿病、糖尿病罹病期間7年、43歳男性、身長182.0cm、体重96.8kg、BMI 29.2 kg/m2、HbA1c 6.2%、第5中足骨手術歴ありの症例。経過:当院にてX年Y月Z日に右第5中足骨基部潰瘍の診断で入院し、手術を施行。その後Z+34日に短下肢装具を使用し歩行練習を開始。Z+38日に退院となった。その後外来通院を行い靴型装具に移行した。PTは入院直後から介入し、本症例に対して施行される手術的免荷の選択に必要な身体機能評価を実施した。本症例は①体重支持指数(WBI) ②下腿三頭筋筋力 ③足関節背屈可動域 ④Coleman Block Test ⑤裸足歩行時足底圧 ⑥手術歴 ⑦入院前は独歩自立であることなどをPTが医師と身体機能評価結果を共有し、医師が手術的免荷の術式選択を行った。またPTは、足部の状態に応じて医師や義肢装具士と身体機能評価の結果を基に相談し、短下肢装具や靴型装具の調整などを検討した。現在外来にて退院後1年経過するが、足病変の悪化は見られていない。考察:足病変の治療方針の選択は、各診療科の医師による治療や処置の技術に伴うところが大きい。今回PTが入院直後から介入し手術的免荷を見据えて身体機能評価を行った。その結果を受けて、医師と意見交換を行ったことでより専門的で高度な治療を提供できた可能性がある。またPTが歩行練習や運動療法だけでなく身体機能評価などを義肢装具士とも共有を行うことで、より足病変再発予防につながる可能性がある。結語:糖尿病足病変患者に対してのoff – loading選択にPTが介入していく必要がある。
倫理的配慮:
当院の倫理規定に基づき、説明と同意を得た。
倫理的配慮:
当院の倫理規定に基づき、説明と同意を得た。
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