講演情報
[O-1-5]肥満2型糖尿病に対するチルゼパチドと運動療法併用の効果
ー骨格筋量減少を伴わない減量と2年間の経過ー
*関山 貴士1、橋本 善隆2、飯田 秀人1、尾崎 圭一1 (1. パナソニック健康保険組合 松下記念病院 診療技術部 リハビリテーション療法室、2. パナソニック健康保険組合 松下記念病院 糖尿病・内分泌内科)
キーワード:
チルゼパチド、運動療法、肥満2型糖尿病
【はじめに】チルゼパチドは食欲抑制、体重減少、代謝改善効果を有する。一方、体重減少に伴い骨格筋量の減少を認めることも報告されている。今回、肥満2型糖尿病患者に対しチルゼパチド導入と運動療法を併用することで、骨格筋量の減少を伴わず体重減少を得られた症例を経験し、さらに2年間の経過を観察したため報告する。
【症例】20歳男性。身長168㎝、体重115.7kg、BMI46.2kg/m2。既往歴は過敏性腸症候群。精神科通院中、無職で外出は買い物程度。16歳時に2型糖尿病を発症し、食事療法で加療されていたが、X−1カ月に糖尿病性ケトアシドーシスで当院入院、その後外来通院となった。
【結果】X月より理学療法開始。HbA1c 8.6%、体重115.7kg、体脂肪率46.2%、筋肉量58.8kg。治療薬はインスリングラルギン10単位、メトホルミン500㎎、エンパグリフロジン5㎎。運動療法は有酸素運動(ウォーキング・自転車エルゴメーター、3METs以上)とレジスタンストレーニング(自重・チューブ・ダンベル・一部高負荷運動)を組み合わせ、60分を週2回実施した。X+2ヶ月にHbA1c 6.7%、体重112.7kg(Xより-2.6%)、体脂肪率48.7%、筋肉量60.6kg(+3.0%)。インスリンを終了、メトホルミン250㎎に減量のうえチルゼパチド2.5mgを導入。X+12カ月にHbA1c 5.3%、体重101.9kg(Xより-11.9%)、体脂肪率38.4%、筋肉量60.0kg(Xより+1.8%)と筋肉量を維持したまま体重・体脂肪率の改善を認めた。しかしX+15カ月以降から服薬アドヒアランス低下があり、X+19カ月には自己中断。X+24カ月に再受診。その際HbA1c 6.3%、体重116.4kg(Xより+0.6%)、体脂肪率41.6%、筋肉量64.1kg(Xより+9.0%)と体重・体脂肪率の再増加を認めたが、筋肉量は介入開始時と比較して増加していた。
【結論】本症例はチルゼパチド導入と並行し、有酸素運動に加え一部高強度のレジスタンス運動を組み合わせることで、筋肉量を保ちながら減量を達成できた。その後運動療法を含めた中断により体重・体脂肪の再増加を認めたが、筋肉量は増加しており、体組成の改善は維持することができた。今後も長期的視点から運動療法の重要性を検討していく必要がある。
倫理的配慮:
本症例の報告に際してはヘルシンキ宣言に基づき対象者へ十分な説明を行い、書面にて同意を得た。
【症例】20歳男性。身長168㎝、体重115.7kg、BMI46.2kg/m2。既往歴は過敏性腸症候群。精神科通院中、無職で外出は買い物程度。16歳時に2型糖尿病を発症し、食事療法で加療されていたが、X−1カ月に糖尿病性ケトアシドーシスで当院入院、その後外来通院となった。
【結果】X月より理学療法開始。HbA1c 8.6%、体重115.7kg、体脂肪率46.2%、筋肉量58.8kg。治療薬はインスリングラルギン10単位、メトホルミン500㎎、エンパグリフロジン5㎎。運動療法は有酸素運動(ウォーキング・自転車エルゴメーター、3METs以上)とレジスタンストレーニング(自重・チューブ・ダンベル・一部高負荷運動)を組み合わせ、60分を週2回実施した。X+2ヶ月にHbA1c 6.7%、体重112.7kg(Xより-2.6%)、体脂肪率48.7%、筋肉量60.6kg(+3.0%)。インスリンを終了、メトホルミン250㎎に減量のうえチルゼパチド2.5mgを導入。X+12カ月にHbA1c 5.3%、体重101.9kg(Xより-11.9%)、体脂肪率38.4%、筋肉量60.0kg(Xより+1.8%)と筋肉量を維持したまま体重・体脂肪率の改善を認めた。しかしX+15カ月以降から服薬アドヒアランス低下があり、X+19カ月には自己中断。X+24カ月に再受診。その際HbA1c 6.3%、体重116.4kg(Xより+0.6%)、体脂肪率41.6%、筋肉量64.1kg(Xより+9.0%)と体重・体脂肪率の再増加を認めたが、筋肉量は介入開始時と比較して増加していた。
【結論】本症例はチルゼパチド導入と並行し、有酸素運動に加え一部高強度のレジスタンス運動を組み合わせることで、筋肉量を保ちながら減量を達成できた。その後運動療法を含めた中断により体重・体脂肪の再増加を認めたが、筋肉量は増加しており、体組成の改善は維持することができた。今後も長期的視点から運動療法の重要性を検討していく必要がある。
倫理的配慮:
本症例の報告に際してはヘルシンキ宣言に基づき対象者へ十分な説明を行い、書面にて同意を得た。
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