講演情報
[P-1-4]運動支援デバイスを用いた糖尿病患者の血糖変動と多面的アウトカムへの影響:単一症例検討
*竹谷 健吾1、林 久恵2 (1. トヨタ記念病院 リハビリテーション科、2. 愛知淑徳大学 健康医療科学部 医療貢献学科)
キーワード:
運動支援デバイス、血糖変動、運動継続支援
【はじめに】
運動療法は糖尿病の基本治療であるが、継続困難や指導体制不足が課題である。医療者では「指導時間やリソース不足」「適切な指導者不在」、 患者では「運動方法が分からない」「運動指導を受けたことがない」ことが障壁となる。こうした課題の解決策として、運動療法に関する指導ツールの普及が有用であり、運動デバイス「walkey®」を用いた在宅運動支援の有用性を検討した。
【目的】
高齢2型糖尿病患者に対する「walkey®」を用いた8週間の運動介入が、血糖変動、身体機能、主観的評価に与える影響を検討した。
【症例】
80代女性の2型糖尿病患者。運動習慣がなく身体活動量低下が課題であり、在宅で安全に継続できる運動支援が必要であった。
【方法】 「walkey®」を用いた在宅運動を8週間実施。血糖測定はFreeStyleリブレを使用し、CGMデータから、13:00〜15:00の血糖最大値を抽出、介入前後10日間の平均値を算出し対応のあるt検定で比較した。また、TIR(Time in Range)、体組成、運動機能(SPPB)、治療満足度、QOL(EQ-5D-5L)を前後で評価した。
【結果】
13:00〜15:00の血糖最大値は有意に低下(180±33.1mg/dl→155.3±10.1mg/dl, p < 0.05)、16:00〜18:00でも低下傾向を示し(194.7±42.9mg/dl→175.5±29.5mg/dl)、SPPB(8点→10点)、TIR(84%→92%)、SMI(4.8kg/m²→5.0 kg/m²、下肢筋肉量(8.94kg→9.67kg)と改善。治療満足度は28点→36点、QOLも0.825→0.947へと改善した。
【結論】
「walkey®」を用いた運動介入により、血糖変動、身体機能、治療満足度、QOLと多面的アウトカムにも改善が得られた。医療者ではデバイスにより運動方法が提示され、指導時間不足、指導者不在問題を解消できた。患者では「運動方法が分からない」といった障壁を越え、安全に運動を継続できた。
これらの結果は「walkey®」が人員の少ないクリニックや運動指導者不在の地域においても、運動療法支援ツールとして有用となることを示す。今後は、症例を蓄積し、地域での運動プログラムや運動教室活動へ展開し、多職種との継続支援体制構築や、地域全体での糖尿病管理と健康増進につなげていく。
倫理的配慮:
本症例報告にあたり、患者本人より学会発表および論文発表に関する同意を文書で得た。個人情報保護に十分配慮し、匿名化して記載した
運動療法は糖尿病の基本治療であるが、継続困難や指導体制不足が課題である。医療者では「指導時間やリソース不足」「適切な指導者不在」、 患者では「運動方法が分からない」「運動指導を受けたことがない」ことが障壁となる。こうした課題の解決策として、運動療法に関する指導ツールの普及が有用であり、運動デバイス「walkey®」を用いた在宅運動支援の有用性を検討した。
【目的】
高齢2型糖尿病患者に対する「walkey®」を用いた8週間の運動介入が、血糖変動、身体機能、主観的評価に与える影響を検討した。
【症例】
80代女性の2型糖尿病患者。運動習慣がなく身体活動量低下が課題であり、在宅で安全に継続できる運動支援が必要であった。
【方法】 「walkey®」を用いた在宅運動を8週間実施。血糖測定はFreeStyleリブレを使用し、CGMデータから、13:00〜15:00の血糖最大値を抽出、介入前後10日間の平均値を算出し対応のあるt検定で比較した。また、TIR(Time in Range)、体組成、運動機能(SPPB)、治療満足度、QOL(EQ-5D-5L)を前後で評価した。
【結果】
13:00〜15:00の血糖最大値は有意に低下(180±33.1mg/dl→155.3±10.1mg/dl, p < 0.05)、16:00〜18:00でも低下傾向を示し(194.7±42.9mg/dl→175.5±29.5mg/dl)、SPPB(8点→10点)、TIR(84%→92%)、SMI(4.8kg/m²→5.0 kg/m²、下肢筋肉量(8.94kg→9.67kg)と改善。治療満足度は28点→36点、QOLも0.825→0.947へと改善した。
【結論】
「walkey®」を用いた運動介入により、血糖変動、身体機能、治療満足度、QOLと多面的アウトカムにも改善が得られた。医療者ではデバイスにより運動方法が提示され、指導時間不足、指導者不在問題を解消できた。患者では「運動方法が分からない」といった障壁を越え、安全に運動を継続できた。
これらの結果は「walkey®」が人員の少ないクリニックや運動指導者不在の地域においても、運動療法支援ツールとして有用となることを示す。今後は、症例を蓄積し、地域での運動プログラムや運動教室活動へ展開し、多職種との継続支援体制構築や、地域全体での糖尿病管理と健康増進につなげていく。
倫理的配慮:
本症例報告にあたり、患者本人より学会発表および論文発表に関する同意を文書で得た。個人情報保護に十分配慮し、匿名化して記載した
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