講演情報
[P-6-2]2型糖尿病を合併したBlue toe syndromeの臨床的特徴と治療成績
*皆田 渉平1、松木 宏多朗1、工藤 元輝1、手老 泰介1、今岡 信介1 (1. 社会医療法人 敬和会 大分岡病院)
キーワード:
2型糖尿病、Blue toe syndrome、足病変
【はじめに】
Blue toe syndrome(以下,BTS)は末梢小動脈の閉塞や微小塞栓により足趾が急激に暗紫色を呈する病態であり,皮膚の色調変化に対して末梢動脈の拍動が保たれる点が特徴である。希少疾患に分類され,先行研究の多くは,症例報告に限定されている。糖尿病を合併したBTS患者は,潰瘍・壊疽,切断,再入院のリスクが高く,臨床経過はより重症化する傾向があることが報告されているが,その詳細な臨床経過や予後に関する知見は乏しい。本研究は2型糖尿病を合併したBTS患者の臨床的特徴と治療成績を明らかにして,理学療法介入の効果検証につなげることを目的とする。
【方法】
対象は,2019年4月から,2025年3月の期間に当院形成外科は,足部病変の治療を目的に入院となったBTS患者を68例のうち,2型糖尿病を合併し,理学療法介入を行った20例とした.調査項目は年齢,性別,BMI,併存疾患(高血圧症,脂質異常症,CKD),血管内治療歴,Fontaine分類,血液データ(BUN, Cr, eGFR),潰瘍・壊疽の有無,FIM(入院時・退院時),切断,再入院の有無とした。
【結果】
対象者は,年齢は70[65–78]歳,男性は19例(95%),併存疾患として高血圧症 17例(85%),脂質異常症 9例(45%),CKD 14例(70%)であった.Fontaine分類はIII期(58%)が最も高い割合を示した。eGFR 27.8 mL/min/1.73m²であった。潰瘍・壊疽は15件(75%)に生じ,FIMは入院時52.5点,退院時66.7点。切断は13件(65%),切断高位は,足趾5例,経中足骨切断5例,中足趾節関節離断3例であった。1年以内の再入院は,7例(35%)となった。
【結論】
2型糖尿病を合併したBTS患者は,Fontaine分類III期以上の病態であり,腎機能障害,潰瘍・壊疽を併発し,切断や再入院のリスクが高いことが示された。理学療法介入の実践によってADL改善に寄与するが,有痛性の病態によって,移動能および応用的な動作能力の改善に長期的な期間を要す傾向が示された。
倫理的配慮:
本研究は,ヘルシンキ宣言に沿った研究であり,社会医療法人敬和会大分岡病院における研究倫理員会の承諾(受付番号:A0086)を得たものである.
Blue toe syndrome(以下,BTS)は末梢小動脈の閉塞や微小塞栓により足趾が急激に暗紫色を呈する病態であり,皮膚の色調変化に対して末梢動脈の拍動が保たれる点が特徴である。希少疾患に分類され,先行研究の多くは,症例報告に限定されている。糖尿病を合併したBTS患者は,潰瘍・壊疽,切断,再入院のリスクが高く,臨床経過はより重症化する傾向があることが報告されているが,その詳細な臨床経過や予後に関する知見は乏しい。本研究は2型糖尿病を合併したBTS患者の臨床的特徴と治療成績を明らかにして,理学療法介入の効果検証につなげることを目的とする。
【方法】
対象は,2019年4月から,2025年3月の期間に当院形成外科は,足部病変の治療を目的に入院となったBTS患者を68例のうち,2型糖尿病を合併し,理学療法介入を行った20例とした.調査項目は年齢,性別,BMI,併存疾患(高血圧症,脂質異常症,CKD),血管内治療歴,Fontaine分類,血液データ(BUN, Cr, eGFR),潰瘍・壊疽の有無,FIM(入院時・退院時),切断,再入院の有無とした。
【結果】
対象者は,年齢は70[65–78]歳,男性は19例(95%),併存疾患として高血圧症 17例(85%),脂質異常症 9例(45%),CKD 14例(70%)であった.Fontaine分類はIII期(58%)が最も高い割合を示した。eGFR 27.8 mL/min/1.73m²であった。潰瘍・壊疽は15件(75%)に生じ,FIMは入院時52.5点,退院時66.7点。切断は13件(65%),切断高位は,足趾5例,経中足骨切断5例,中足趾節関節離断3例であった。1年以内の再入院は,7例(35%)となった。
【結論】
2型糖尿病を合併したBTS患者は,Fontaine分類III期以上の病態であり,腎機能障害,潰瘍・壊疽を併発し,切断や再入院のリスクが高いことが示された。理学療法介入の実践によってADL改善に寄与するが,有痛性の病態によって,移動能および応用的な動作能力の改善に長期的な期間を要す傾向が示された。
倫理的配慮:
本研究は,ヘルシンキ宣言に沿った研究であり,社会医療法人敬和会大分岡病院における研究倫理員会の承諾(受付番号:A0086)を得たものである.
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