講演情報

[21-1220-2add]「SIXPADを用いた透析運動療法の可能性」

森山 善文
名古屋共立病院 透析運動療法統括部 部長
日本腎臓リハビリテーション学会 代議員
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2000年:偕行会 入職
2012年:透析患者に対する運動療法の取り組み開始
    偕行会グループの全透析施設(21施設)にて運動療法の指導・管理を行い、これまでに
    2,700名以上の透析患者に対し運動療法を実践・指導
2013年:名古屋共立病院 リハビリテーション部 部長 
2015年:偕行会本部 透析運動療法統括部 部長  
    (名古屋共立病院リハビリテーション部部長兼任)
本邦における透析患者の高齢化は著しく、2023年以降その平均年齢は70歳を超過している。高齢化に加え、低栄養や慢性炎症などの複合的要因により身体機能が低下し、フレイルやサルコペニアを高率に合併する。運動療法の必要性は極めて高く、近年は透析中の運動療法も推奨され、身体機能の維持・向上やQOLの改善に加え、生命予後に対する改善も報告されている。2022年度診療報酬改定では「透析時運動指導等加算」が新設され、非薬物的治療戦略として注目されているが、日本透析医学会の報告によると、透析中の運動療法の実施率は5%未満と低く、普及には多くの障壁が存在する。
 その要因としては、高齢化に伴う身体機能低下により、従来型の運動プログラムの実施が困難であること、運動療法を専門とする職種の不在、透析スタッフのマンパワー不足など、医療提供体制および患者側双方に起因する複合的な制約が挙げられる。
 これらの課題に対し、受動的運動療法としての骨格筋電気刺激(EMS)が有効な選択肢となり得る。EMSは随意性を要せず筋収縮を誘導でき、透析中でも自発的努力なしに運動効果が期待される。我々は家庭用EMS機器「SIXPAD」を用い、大腿部・下腿部・手掌などに部位別に適応した介入を実践しており、高い効果を実感している。本セッションでは透析患者に対するEMSの意義と臨床応用の可能性について、我々の取り組みを交えて報告する。

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