講演情報

[P-7-3]92歳高齢患者に対しての透析中運動療法の効果が示唆された1例

*榊 麻美1 (1. 医療法人社団 東光会 戸田中央総合病院)
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キーワード:

高齢、糖尿病性腎症による透析、運動療法

【はじめに、目的】
Chenらの報告によると透析療法中の運動療法を6ヶ月継続する事で、SPPBと膝伸展筋力の改善が見られたと言われている。また、神野らの報告により透析中の運動量を実施した結果、運動耐容能の改善が示唆されている。だが、90歳を超えた高齢の方に対しての報告はあまり見られていない。そこで今回、当院にてADLおよびQOL 維持・向上を目的とし、当院通院中の維持透析患者を対象に透析中の運動療法プログラムを開始した92歳の患者に対しての結果及び経過を報告する。
【方法、あるいは症例】
当院での外来通院での透析を受けており、かつ運動療法に参加されることを同意された92歳(男性)。主治医からの指示の下、2021年10月より2023年10月まで週3回透析時間の30分後から1時間後に理学療法士(以下PT)による下肢ストレッチ・筋力強化訓練・自転車エルゴメータを計1時間行った。運動強度に関しては自覚的疲労感を表すBorgScaleにおいて11~13(楽である~ややきつい)の範囲を目標とした。
【結果】
運動療法開始から2年経過までSPPBは4点から8点と向上、握力も左右平均14kgを維持し転倒は見られず、日常生活を送ることができていた。また、対象者の方から日常生活での疲労感が減り、活動量が増えたこと、透析後の疲労感が減少し、運動療法開始前に比べ透析の時間も楽しみになってきたと発言がきかれた。
【結論】
高齢患者であっても維持透析中における運動療法を開始及び継続することにより身体機能の維持改善およびQOLの向上が示唆された。

倫理的配慮:
本演題に関して、被験者への説明と同意の取得、個人情報の保護、匿名化への配慮、施設内での承認または責任者の確認を実施しております。

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