講演情報
[P-7-5]高度肥満症患者における若年フレイルを予測するための身体機能評価指標
*久場 美鈴1、福原 優河1、松田 優輝1、末長 拓也1、高橋 隆2 (1. 大浜第一病院 リハビリテーション科、2. 大浜第一病院 内分泌代謝センター)
キーワード:
高度肥満症、若年フレイル、身体機能評価指標
【目的】
肥満症は併存疾患や身体機能低下がフレイルのリスクを高めることが報告されている。本研究では、高度肥満症患者における若年フレイルの身体機能との関連について検討した。
【方法】
対象は高度肥満症患者女性196名(平均年齢45±9歳)のうち糖尿病合併110名であった。調査項目は年齢、BMI、握力、膝伸展筋力、国際標準化身体活動質問票(座位時間、総身体活動量)、CT画像を用いて測定した骨格筋指数(骨格筋断面積/身長²)、骨格筋断面積平均CT値(SMD)、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積を評価した。フレイル評価はJ-CHS基準に従い5項目(体重減少・易疲労感・活動量低下・歩行速度低下・筋力低下) を調査し、3項目以上該当した対象者をフレイルと定義した。対象者を非フレイル群とフレイル群に分類し、調査項目をMann-WhitneyのU検定で比較した。群間比較で有意差を認めた調査項目を説明変数、フレイルの有無を目的変数としBMIと年齢で調整し多変量ロジスティック回帰分析を実施した。有意差を認めた項目はROC曲線にてカットオフ値とAUCを算出した。統計学的分析は有意水準を5%とした。
【結果】
フレイル群は28名(14%)であった。群間比較の結果、フレイル群では握力、膝伸展筋力、総身体活動量、SMDは低値を示した。一方で年齢、BMI、座位時間は高値を示した。多変量ロジスティック回帰分析の結果、BMI(OR:1.2, 95%CI 1.06-1.4 p<0.01)、握力(OR:0.72 95%CI 0.58-0.84 p<0.001)、膝伸展筋力(OR:0.63, 95%CI 0.48-0.76 p<0.01)が独立因子として抽出された。フレイル群を予測するカットオフ値は膝伸展筋力23.4kgf(AUC:0.84 p<0.001)、握力22kgf(AUC:0.80 p<0.001)、BMI 43.4kg/m²(AUC:0.66 p<0.01)であった。
【結論】
高度肥満症患者における若年フレイルは、BMIが高く、握力や膝伸展筋力の低下に関連していた。高齢者を対象としたJ-CHS基準値の女性握力のカットオフ値は17kgfとされ、本研究における高度肥満症若年フレイルはそれを上回る結果となった。本研究の結果より筋力測定はフレイルを予測するための身体機能評価指標として有用である。
倫理的配慮:
本研究は倫理審査委員会の承認(承認番号253)を得て実施した。
肥満症は併存疾患や身体機能低下がフレイルのリスクを高めることが報告されている。本研究では、高度肥満症患者における若年フレイルの身体機能との関連について検討した。
【方法】
対象は高度肥満症患者女性196名(平均年齢45±9歳)のうち糖尿病合併110名であった。調査項目は年齢、BMI、握力、膝伸展筋力、国際標準化身体活動質問票(座位時間、総身体活動量)、CT画像を用いて測定した骨格筋指数(骨格筋断面積/身長²)、骨格筋断面積平均CT値(SMD)、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積を評価した。フレイル評価はJ-CHS基準に従い5項目(体重減少・易疲労感・活動量低下・歩行速度低下・筋力低下) を調査し、3項目以上該当した対象者をフレイルと定義した。対象者を非フレイル群とフレイル群に分類し、調査項目をMann-WhitneyのU検定で比較した。群間比較で有意差を認めた調査項目を説明変数、フレイルの有無を目的変数としBMIと年齢で調整し多変量ロジスティック回帰分析を実施した。有意差を認めた項目はROC曲線にてカットオフ値とAUCを算出した。統計学的分析は有意水準を5%とした。
【結果】
フレイル群は28名(14%)であった。群間比較の結果、フレイル群では握力、膝伸展筋力、総身体活動量、SMDは低値を示した。一方で年齢、BMI、座位時間は高値を示した。多変量ロジスティック回帰分析の結果、BMI(OR:1.2, 95%CI 1.06-1.4 p<0.01)、握力(OR:0.72 95%CI 0.58-0.84 p<0.001)、膝伸展筋力(OR:0.63, 95%CI 0.48-0.76 p<0.01)が独立因子として抽出された。フレイル群を予測するカットオフ値は膝伸展筋力23.4kgf(AUC:0.84 p<0.001)、握力22kgf(AUC:0.80 p<0.001)、BMI 43.4kg/m²(AUC:0.66 p<0.01)であった。
【結論】
高度肥満症患者における若年フレイルは、BMIが高く、握力や膝伸展筋力の低下に関連していた。高齢者を対象としたJ-CHS基準値の女性握力のカットオフ値は17kgfとされ、本研究における高度肥満症若年フレイルはそれを上回る結果となった。本研究の結果より筋力測定はフレイルを予測するための身体機能評価指標として有用である。
倫理的配慮:
本研究は倫理審査委員会の承認(承認番号253)を得て実施した。
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