講演情報
[P-8-3]頻回透析・高圧酸素療法を併用し下肢切断を回避し得た糖尿病透析患者のリハビリテーション経過
*住吉 百江1 (1. 医療法人社団CHCPヘルスケアシステム桑園中央病院)
キーワード:
糖尿病透析患者、下肢切断回避、高気圧酸素療法
【はじめに】
糖尿病透析患者における足病変は難治性であり、感染や虚血の進行により下肢切断に至る例が多い。下肢切断はADLやQOLの著しい低下をもたらすため、切断回避に向けた多角的アプローチが求められる。本症例では、頻回透析および高気圧酸素療法(HBO)を組み合わせ、さらに理学療法士を含む多職種で介入することで、両下肢切断回避と歩行再獲得が可能となった経過を報告する。
【症例】
50歳代、男性。糖尿病性腎症により維持透析中。左下腿切断の既往あり。右下肢に虚血性潰瘍を認め、感染・壊死の進行により下腿切断の適応と判断されていた。当院では頻回透析とHBOを併用し、創部縮小を得られた。理学療法士は透析中運動療法、立位バランス練習、義足歩行訓練を段階的に実施。車いす中心の生活から、歩行補助具を用いた歩行が可能となり、ADLおよび生活範囲の拡大を得た。
【結果】
(1)右下肢切断を回避し、創傷は縮小・上皮化を認めた。 (2)義足を用いた歩行能力を再獲得した。 (3)入院前後でBarthel Indexは改善し、QOL向上が確認された。
【考察】
本症例では、頻回透析・HBOといった腎不全・血流改善を意図した集学的治療に加え、理学療法士による継続的な身体機能訓練が奏功し、下肢切断回避と歩行再獲得に至った。糖尿病透析患者の足病変は予後不良とされるが、医師・看護師・理学療法士を含む多職種の連携と包括的介入により機能予後を改善できる可能性がある。本報告は、腎臓リハビリテーションの臨床的有効性を示すとともに、切断回避に向けた新たな治療戦略の一助となると考える。
倫理的配慮:
本発表にあたり、患者に説明し同意を得ており個人情報には十分配慮した。
糖尿病透析患者における足病変は難治性であり、感染や虚血の進行により下肢切断に至る例が多い。下肢切断はADLやQOLの著しい低下をもたらすため、切断回避に向けた多角的アプローチが求められる。本症例では、頻回透析および高気圧酸素療法(HBO)を組み合わせ、さらに理学療法士を含む多職種で介入することで、両下肢切断回避と歩行再獲得が可能となった経過を報告する。
【症例】
50歳代、男性。糖尿病性腎症により維持透析中。左下腿切断の既往あり。右下肢に虚血性潰瘍を認め、感染・壊死の進行により下腿切断の適応と判断されていた。当院では頻回透析とHBOを併用し、創部縮小を得られた。理学療法士は透析中運動療法、立位バランス練習、義足歩行訓練を段階的に実施。車いす中心の生活から、歩行補助具を用いた歩行が可能となり、ADLおよび生活範囲の拡大を得た。
【結果】
(1)右下肢切断を回避し、創傷は縮小・上皮化を認めた。 (2)義足を用いた歩行能力を再獲得した。 (3)入院前後でBarthel Indexは改善し、QOL向上が確認された。
【考察】
本症例では、頻回透析・HBOといった腎不全・血流改善を意図した集学的治療に加え、理学療法士による継続的な身体機能訓練が奏功し、下肢切断回避と歩行再獲得に至った。糖尿病透析患者の足病変は予後不良とされるが、医師・看護師・理学療法士を含む多職種の連携と包括的介入により機能予後を改善できる可能性がある。本報告は、腎臓リハビリテーションの臨床的有効性を示すとともに、切断回避に向けた新たな治療戦略の一助となると考える。
倫理的配慮:
本発表にあたり、患者に説明し同意を得ており個人情報には十分配慮した。
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