講演情報
[P-10-6]糖尿病教育入院患者におけるインスリン低分泌とサルコペニアおよび身体機能の関連性
*東 剛史1、中川 寛紀1、牧野 弥生1、杉下 泰明1、三澤 汐里1、稲垣 達也1、小澤 純一1 (1. 福井県立病院リハビリテーション室)
キーワード:
糖尿病教育入院、インスリン低分泌、サルコペニア
【目的】糖尿病はインスリン抵抗性とともに,インスリン分泌能の低下が病態の根幹にあると言われる.高齢化が進む中で,糖尿病患者のサルコペニア合併は身体機能の低下を伴い,転倒リスクや生活の質の低下につながる.インスリン分泌能の低下がこれらに関連性を示すとされるが,その詳細なメカニズムについては不明な点が多い.本研究では,インスリン分泌能の低下がサルコペニアの有無や身体機能に与える影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】当院に入院した糖尿病教育入院患者を対象とし,基本情報,血液生化学検査(HbA1c,C-ペプチドインデックス: CPI),サルコペニアの有無(AWGS2019診断基準),握力,歩行速度,SPPBスコア,糖尿病性神経合併症の有無を調査した.CPI0.8を基準にインスリン低分泌群と非低分泌群を定義した.t検定,Mann-Whitney U検定,χ2検定を用い,有意水準を5%とした.
【結果】対象は151例(男性96例,女性55例,平均年齢60.8 ± 13.6歳).低分泌群(55例),非低分泌群(96例)で,サルコペニアの総数21例のうち低分泌群は13例であった.群間比較の結果,BMIおよびサルコペニアの有無に有意差を認めた.一方で,年齢,HbA1c,糖尿病性神経合併症の有無,握力,歩行速度,SPPBについては,両群間で有意差は認められなかった.
【結論】糖尿病患者におけるインスリン低分泌は,サルコペニアと関連することが示唆された.特にインスリン低分泌を有する患者に対しては,将来的な身体機能の低下を予防するために,早期からの骨格筋量維持・増加に向けた介入を検討する必要がある.これらは,糖尿病教育入院患者に対する理学療法介入においても重要であり,運動指導の方向性を示すと言える.
倫理的配慮:
本研究は,当院倫理委員会の承認を得て実施された(承認番号: 22-23).
【方法】当院に入院した糖尿病教育入院患者を対象とし,基本情報,血液生化学検査(HbA1c,C-ペプチドインデックス: CPI),サルコペニアの有無(AWGS2019診断基準),握力,歩行速度,SPPBスコア,糖尿病性神経合併症の有無を調査した.CPI0.8を基準にインスリン低分泌群と非低分泌群を定義した.t検定,Mann-Whitney U検定,χ2検定を用い,有意水準を5%とした.
【結果】対象は151例(男性96例,女性55例,平均年齢60.8 ± 13.6歳).低分泌群(55例),非低分泌群(96例)で,サルコペニアの総数21例のうち低分泌群は13例であった.群間比較の結果,BMIおよびサルコペニアの有無に有意差を認めた.一方で,年齢,HbA1c,糖尿病性神経合併症の有無,握力,歩行速度,SPPBについては,両群間で有意差は認められなかった.
【結論】糖尿病患者におけるインスリン低分泌は,サルコペニアと関連することが示唆された.特にインスリン低分泌を有する患者に対しては,将来的な身体機能の低下を予防するために,早期からの骨格筋量維持・増加に向けた介入を検討する必要がある.これらは,糖尿病教育入院患者に対する理学療法介入においても重要であり,運動指導の方向性を示すと言える.
倫理的配慮:
本研究は,当院倫理委員会の承認を得て実施された(承認番号: 22-23).
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