講演情報
[P-11-4]転倒リスクの高い高齢2型糖尿病患者における歩行の時空間パラメータの特徴
*眞鍋 朋誉1,2、土田 和可子3,4、小林 俊博1、藤本 雅大3,4、稲井 卓真3,4、工藤 将馬3,4、木戸 康平3,4、福長 健作1、井町 仁美1、村尾 孝児1 (1. 香川大学 医学部 内分泌代謝・先端医療・臨床検査医学講座、2. 香川大学医学部附属病院 医療技術部 リハビリテーション部門、3. 産業技術総合研究所 セルフケア実装研究センター、4. 産業技術総合研究所 健康医工学研究部門)
キーワード:
2型糖尿病、転倒、歩行分析
【はじめに、目的】高齢2型糖尿病患者は転倒リスクが高いことが知られており、転倒は骨折や寝たきりの原因となり、生活の質を低下させる要因となる。歩行は転倒リスクと密接に関連するため、その特徴を明らかにすることは転倒リスクの早期発見や予防的介入に有用であると考えられる。そこで、本研究では高齢2型糖尿病患者を対象とし、三次元動作解析装置を用いて高転倒リスク者の歩行の時空間パラメータの特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は、当院に外来通院する高齢2型糖尿病患者29例とした。対象の基本属性とHbA1c値、罹病期間を診療録より収集した。また、三次元動作解析装置を用いて対象の歩行の時空間パラメータ(快適歩行速度、歩幅、重複歩距離、立脚時間、遊脚時間、両脚支持時間、立脚期割合、両脚支持期割合、ケイデンス)を測定した。そして、転倒ハイリスク者の発見のための問診表(平成14年度厚生労働省科学研究効果的医療技術の確立推進、転倒骨折班)を用いて、対象を高転倒リスク群と低転倒リスク群に分類した。統計的解析は、χ2検定とMann-WhitneyのU検定を用いて、高転倒リスク群と低転倒リスク群の基本属性、時空間パラメータとそのばらつきの比較を行った。なお、統計的解析にはSPSS version 29.0を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
対象は高転倒リスク群6例と低転倒リスク群23例に分類された。高転倒リスク群は、低転倒リスク群よりBody Mass Index(以下、BMI)が高く(26.2kg/m2 [25.3–29.0kg/m2] vs 22.8kg/m2 [21.3–25.3kg/m2]、p = 0.014)、歩行速度が遅く(1.03m/秒 [0.81–1.21m/秒] vs 1.26m/秒 [1.10–1.32m/秒]、p = 0.026)、重複歩距離のばらつきが大きかった(3.78cm [3.00–4.75cm] vs 2.38cm [1.69–3.16cm]、p = 0.047)。その他の因子には有意差を認めなかった。
【結論】
高齢2型糖尿病患者の低転倒リスク群と比較し、高転倒リスク群で高BMI、歩行速度の低下、重複歩距離のばらつきの増加といった特徴がみられた。これらの歩行の特徴を有する患者には、転倒リスクの詳細な評価や転倒予防のための治療アプローチを積極的に検討することが重要である可能性が示された。
倫理的配慮:
本研究は、香川大学医学部倫理委員会倫理審査委員会の承認(承認番号:2021-155)を得ており、ヘルシンキ宣言の原則を遵守して実施した。
【方法】
対象は、当院に外来通院する高齢2型糖尿病患者29例とした。対象の基本属性とHbA1c値、罹病期間を診療録より収集した。また、三次元動作解析装置を用いて対象の歩行の時空間パラメータ(快適歩行速度、歩幅、重複歩距離、立脚時間、遊脚時間、両脚支持時間、立脚期割合、両脚支持期割合、ケイデンス)を測定した。そして、転倒ハイリスク者の発見のための問診表(平成14年度厚生労働省科学研究効果的医療技術の確立推進、転倒骨折班)を用いて、対象を高転倒リスク群と低転倒リスク群に分類した。統計的解析は、χ2検定とMann-WhitneyのU検定を用いて、高転倒リスク群と低転倒リスク群の基本属性、時空間パラメータとそのばらつきの比較を行った。なお、統計的解析にはSPSS version 29.0を用い、有意水準は5%未満とした。
【結果】
対象は高転倒リスク群6例と低転倒リスク群23例に分類された。高転倒リスク群は、低転倒リスク群よりBody Mass Index(以下、BMI)が高く(26.2kg/m2 [25.3–29.0kg/m2] vs 22.8kg/m2 [21.3–25.3kg/m2]、p = 0.014)、歩行速度が遅く(1.03m/秒 [0.81–1.21m/秒] vs 1.26m/秒 [1.10–1.32m/秒]、p = 0.026)、重複歩距離のばらつきが大きかった(3.78cm [3.00–4.75cm] vs 2.38cm [1.69–3.16cm]、p = 0.047)。その他の因子には有意差を認めなかった。
【結論】
高齢2型糖尿病患者の低転倒リスク群と比較し、高転倒リスク群で高BMI、歩行速度の低下、重複歩距離のばらつきの増加といった特徴がみられた。これらの歩行の特徴を有する患者には、転倒リスクの詳細な評価や転倒予防のための治療アプローチを積極的に検討することが重要である可能性が示された。
倫理的配慮:
本研究は、香川大学医学部倫理委員会倫理審査委員会の承認(承認番号:2021-155)を得ており、ヘルシンキ宣言の原則を遵守して実施した。
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