実行委員長挨拶
第30回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会開催にあたって
第30回 実行委員長 (公益社団法人 地盤工学会) | ||
勝見 武 京都大学大学院地球環境学堂 教授 |
地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会は、1991年4月に第1回が開催されてから今回で30回目の開催となります。この30年余りは、本集会のテーマである地下水・土壌汚染に関わって様々な取組みがなされ、学術上も実務上も顕著な蓄積がなされてきたと言えるでしょう。環境規制では土壌や地下水の環境基準の制定、水質汚濁防止法の改正、土壌汚染対策法の制定・施行などが進められ、多様な研究・技術開発が鋭意取り組まれて実務に活かされ、実社会に役立っています。そして現在、我々の様々な営みにおいて、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティヴ、サーキュラーエコノミーといったキーワードを旗印にした、より高い環境配慮へのギアチェンジが求められています。地下水・土壌の分野でも、これまでの実績・蓄積を継承しつつ新たなコンセプトを取り込んでいくフェーズに入ってきたと考えられるでしょう。
このような背景のもと、第30回の節目の研究集会を2025年6月25・26日に京都大学内にて開催いたします。地盤工学会、日本地下水学会、日本水環境学会、廃棄物資源循環学会および土壌環境センターが共催し、関連団体ならびに開催自治体にご後援頂きますことに厚く御礼申し上げます。事務局を担当頂く土壌環境センターと幹事会メンバーの献身的なご貢献の上に集会が成り立っていることも付記させて頂きたいと思います。
これまで本研究集会は京都で6回開催されていますが、今回は9年ぶりに京都にお集まりいただき、活発な意見交換・情報交換を行っていただきたいと思います。短い口頭発表とポスターセッションの組み合わせは、広く網羅的な情報収集と、踏み込んだ内容の意見交換の両方を可能にする、地下水・土壌汚染のテーマにふさわしい形式となっています。学術研究から具体的な実務、制度上の提案など、幅広く交流をして頂ければ幸甚です。奮ってご参加頂き、有益な研究集会となることを願っています。