チュートリアルセッション
第一線でご活躍の講師陣が基礎技術から応用事例までをわかりやすく解説いたします。

講師:金子 卓弘 氏
(日本電信電話株式会社)
略歴:2012年東京大学工学部卒業、2014年同大学院修士課程了。同年日本電信電話株式会社入社。2020年東京大学大学院博士課程了。同年から日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所特別研究員。画像生成、三次元復元、音声合成・変換を中心としたコンピュータビジョン、音声・音響信号処理、機械学習の研究に従事。博士(情報理工学)。日本機械学会畠山賞、ICPR Best Student Paper Award、音声研究会研究奨励賞、東京大学大学院研究科長賞、電気通信普及財団テレコムシステム技術賞、日本音響学会粟屋潔学術奨励賞等を各受賞。
概要:近年の画像生成AIの発展は凄まじく、人が見ても見分けがつかないようなリアルな画像が生成できるようになりつつあります。この発展は、深層学習の進展によってもたらされたものですが、一般的な深層学習モデルはブラックボックス化されたニューラルネットワークで構成されており、必ずしも光学・物理的に自然な画像を生成できるとは限りません。この問題に対処する方法として、近年、光学・物理モデルを取り入れた深層学習モデルが注目を集めています。本チュートリアルでは、このような背景の下で研究が進められている「光学・物理原理に基づく画像生成AI」について研究事例を紹介しながら解説します。
- 画像生成AIに興味のある方
- 光学・物理的に自然な画像を生成したい方
- 光学・物理モデルと深層学習の融合に興味のある方

講師:横矢 直人 氏
(東京大学/理化学研究所)
略歴:2013年、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。同年、同大学大学院工学系研究科助教。2015年〜2017年、ドイツ航空宇宙センター及びミュンヘン工科大学フンボルト財団研究員。現在、東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授、理化学研究所革新知能統合研究センターチームリーダー。リモートセンシング、コンピュータビジョン、機械学習、データ融合に関する研究に従事。2022年〜2024年クラリベイト高被引用論文著者、令和6年度文部科学大臣表彰若手科学者賞など受賞。
概要:リモートセンシング画像処理は、地球上の広域における情報把握を可能にし、環境モニタリング、災害対応、農業や都市計画など多岐にわたる分野で重要な役割を果たしています。機械学習技術の進展や小型衛星の普及、データのオープン化により、従来の技術では難しかった高度なデータ解析とその自動化が実現しています。本チュートリアルでは、リモートセンシングにおける特有の課題と、それらを解決するための最新技術を実例を交えて紹介します。
- リモートセンシングの最新動向に興味がある方
- 機械学習技術をリモートセンシング画像処理分野に適用したい方
- リモートセンシングを活用した実世界応用に興味がある方

講師:備瀬 竜馬 氏
(九州大学)
略歴:
2002年 九州大学大学院 システム情報科学府情報理学専攻 修士課程修了。2002~2015年 大日本印刷株式会社 研究員。2008~2010年 カーネギーメロン大学ロボティクス研究所 客員研究員。2012~2015年 東京大学大学院 学際情報学府 博士課程(博士:学際情報学)。2015~2017年 国立情報学研究所 特任准教授。2017~2023年 九州大学 システム情報科学研究院 准教授。2023年~現在 九州大学 システム情報科学研究院 教授。コンピュータビジョン、特にバイオメディカル画像解析の研究に従事。CVPR、ECCV、ICCV、MICCAI、MedIAなどのコンピュータビジョン分野の主要な学会やジャーナルで多くの論文を発表。Pattern Recognition(Elsevier)のAssociate Editor、CVPR2024・2025、MICCAI2024のエリアチェア、MVA2025のGeneral Chair等を務める。
概要:本講演では、生命医療画像解析における異分野共同研究において、連携先の解析ニーズに応えつつ画像情報学の研究を進めるための取り組みについて、経験を交えて紹介します。特に、生命科学および医学分野との共同研究においては、十分な教師データが得られないという課題があります。本講演では、この課題に対処するための不完全な教師データからの機械学習に関する様々なアプローチを紹介し、具体的な研究例を挙げて解説します。
- 不完全な教師データを使った機械学習に課題を抱えている方
- 異分野連携において、情報学分野で技術的工夫や新たな価値を創出したい方