講演情報

[P02-06]WINシステムを用いたリアルタイム波形表示システムの開発

*鶴岡 弘1 (1. 東京大学地震研究所)
PDFダウンロードPDFダウンロード
WINシステムは,多チャンネルの地震波形データを取り扱うための処理システムで,UNIX上で動作する多くのプログラム群から構成されている.地震観測テレメータシステムにおいては,その波形フォーマットを含め,リアルタイムデータ交換のためのシステムとして広く利用されている. プログラム群の中には,データ交換の際に利用される共有メモリ上のデータをテキストで表示するプログラムshmdumpがあり,これと連携したTcl/Tkで作成された波形表示プログラム群 (shmx, shmz, shmck) がある.MQTTプロトコルを用いたWINシステム用リアルタイム表示システムの開発(鶴岡,2022)において,Webによるリアルタイム波形表示システムが利用可能になった.一方で多チャンネルを表示できるようにするためには,複数のプロセスを立ち上げる必要があり,システムとしてはさらなる改良が必須であった.今回は,WINシステムの機能強化を図り,MQTTの一つの実装であるmosquittoに対して上記を簡単に実現するraw2mqおよびmq2rawという二つのプログラムがWINシステムに追加され,非常に簡単にWebによりリアルタイム波形表示が実現できるようになった.また,このプログラムはこれまでのrecvt/send_raw に置き換えてデータの送受信がより簡便かつ安定してできるプログラムでもある. リアルタイム波形表示に必要になるのは,WINシステムおよびJavaScriptのライブラリであるsmoothie.js,WebSocketによるリアルタイムデータ受信のためのライブラリのmqttws31.min.js,smoothie.jsへのパラメータ設定のためのwinq.js および実際の波形表示のためのwinq.html である.なお,実際の波形表示には,WINシステムにおけるチャネルIDをチャネル分記載するのみである.F-net観測点の波形表示例を図に示す. 今回の開発のリアルタイム波形表示システムにより,WINフォーマットにより送受信される波形データは非常に簡便かつ効率的にリアルタイム波形表示が可能となった.また,リアルタイム波形表示のみでなく,同様にリアルタイム解析システムへの入力にも利用できるので,そのようなシステムの開発も可能である.