講演情報
[P06-03]房総沖三重会合点近傍におけるプレート境界断層先端部の構造的特徴
*山下 幹也1、仲西 理子2、武田 哲也3、木村 尚紀3、三浦 誠一2、笠原 敬司3 (1. 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質情報研究部門 資源テクトニクス研究グループ、2. 国立研究開発法人 海洋研究開発機構、3. 国立研究開発法人 防災科学技術研究所)
海溝型巨大地震ではしばしば深部の破壊が海溝軸付近まで伝播することが日本海溝を中心に明らかになり,巨大津波発生の原因であることが指摘されてきた(Nakamura et al., 2013).南海トラフにおいても紀伊半島沖の掘削研究の結果からプレート境界断層の延長部にあたる浅部において大きなすべりが起きた可能性が指摘されている(Sakaguchi et al., 2013).一方で伊豆小笠原海溝では太平洋プレートの沈み込みに伴って巨大地震の発生は報告されていないため,プレート境界部の地下構造に関する研究例は少ない.特に房総沖では,太平洋プレートとフィリピン海プレートとの境界で発生するプレート間巨大地震は知られておらず(地震調査委員会,2014),そのため将来に発生する地震の規模・地震発生確率等は不明となっている.相模トラフ沿いに発生する元禄関東地震などの巨大地震について震源域の数多くの研究例が報告されているが,三重会合点までを含んだ研究例はなく,プレート境界断層先端部における構造は明らかになっていない.三重会合点付近は特に水深が9000mを超える場所もあり,海底地震計を用いた構造探査が困難であることから調査例は少ないが,南海トラフと同様に厚い堆積物に覆われていることが想定され,プレート境界断層先端部に変形がある場合は構造変化として検出が期待される. そこで本研究では海洋研究開発機構が2009年に房総沖で取得したLine4測線や2004年に伊豆島弧を横断する測線など海溝を横断するIBr2測線データ,および防災科学技術研究所が1991年に取得したPL-2測線データを中心に収集し,データベースソフトウェアを用いて改めて海溝軸周辺におけるプレート境界断層先端部の形状や変形構造の有無について検討を行った.また新たに取得された周辺海域の地形データを統合し,赤色立体地形図を作成することで,南海トラフ軸で見られたようなプロトスラスト帯の評価も行った.また海上保安庁が過去に取得したデータ(岩渕ほか,1990)との対比も行った. 得られた反射断面にフィルターや振幅補正などを実施することでプレート境界断層と思われる明瞭な反射波や微小断層群など新たな結果が得られた.プレート境界断層先端部ではさらに海側にも変形構造が確認でき,高分解能赤色立体地形図と合わせることでそれらが面的な拡がりを持つことが明らかになった.各測線における海底面近傍の変形の有無など構造的特徴について紹介する.
