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[P08-06]地殻内にも繰り返し地震は存在するのか? — 能登半島群発地震における検出

*小松 真喜1、中島 淳一1 (1. 東京科学大学)
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繰り返し地震(リピーター)は、断層面上の同一位置・同様の破壊過程で繰り返し発生し、類似した波形が観測される地震である。これは、安定すべり域に囲まれたアスペリティが周囲の非地震性すべりによって繰り返し破壊されることによって生じると考えられており、主にトランスフォーム断層のクリープ区間や沈み込み帯などのプレート境界断層で多く報告されている。一方で、プレート境界以外の地殻内地震においてもリピーターの存在が指摘されているが、検出基準が必ずしも十分に厳密ではなく、再来間隔や持続期間の短いバースト型を含んでいる場合がある。バースト型は震源が実際には重なっていない近接地震を誤ってリピーターと判定している可能性もある。そのため、地殻内リピーターの存在を確実に検証するには、より厳密な波形相似性と震源重複度の評価が必要である。
2020年ごろから活発化した能登半島群発地震は、地殻内リピーターが存在する有力な候補であると考えられる。この群発地震では深部から上昇した流体の関与が示唆されており、高い間隙水圧が非地震性すべりを促進し、アスペリティパッチの繰り返し破壊を引き起こしている可能性がある。
本研究では、2020年1月から2023年12月に能登半島北東部で発生したM2–4の地震を対象とし、波形の類似性と震源重複度の評価に基づいてリピーターの検出を行った。まず、地震ペアの平均マグニチュードに応じて2–8 Hz、2–12 Hz、2–16 Hzのいずれかの周波数帯域で波形のコヒーレンス(coh)を計算し、震源から100km以内にある24観測点のうち、7点以上でcoh ≥ 0.95、かつ2点以上でcoh ≥ 0.98を満たすペアを抽出した。次に、共通のイベントを含むペアを同一系列として仮定し、系列ごとにDouble-difference法を用いて震源再決定を行った。その後、各系列内の全てのペアにおいて震源重複条件 L/(r₁ + r₂) ≤ 0.3(L:震源間距離、r:断層半径)および前述の波形相似性基準を満たすよう、一部の系列・イベントを除外した。その結果、解析した地震の約4%にあたる68イベントを含む、33系列の繰り返し地震が同定された。このうち、ほとんどの系列は2イベントからなるダブレットであった。
再来間隔が数時間〜数日程度と短いバースト型のペアは厳しい検出基準により除外されており、1ヶ月未満の再来間隔も全体の約5%にとどまった。厳しい検出基準を適用した結果、リピーターは特定の断層面(Nクラスター)に集中して分布する傾向が確認され、リピーターが発生しうるような条件を備えた断層が限られていることが示唆された。また、多くの系列で繰り返し回数が少なかった点は、プレート境界と異なり、定常的なクリープが継続する環境ではないことを反映していると考えられる。
以上の結果は、プレート境界から離れた地殻内地震においても、バースト型とは異なる繰り返し地震が存在していることを示唆している。