講演情報
[P09-04]AELUMA法を用いた2023年10月孀婦岩周辺で発生した中〜長周期帯域に卓越する震源の探索
*青木 泰智1、奥脇 亮1 (1. 筑波大学)
非地震性の震源 (例えば地すべりや氷河の移動・崩壊等) に伴う地震波は,地震のシグナルに比べて振幅が小さく,波相の到達が不明瞭な場合があり,ノイズの中に埋もれてしまう場合がある.例えば,2023年10月8日 19時〜21時頃 (UTC) に鳥島近海で発生した一連のイベントは,伊豆・小笠原諸島や千葉県から沖縄県沿岸で津波が観測されたにもかかわらず,揺れの規模の小ささや不明瞭な地震波形のP相などによる震源決定の困難さが気象庁により指摘されている.一方,米国地質調査所 (USGS) は,関連する計15個の震源とマグニチュードを決定した.また,例えばSandanbata et al. (2024) は,津波に関連する複数のイベントを見出し,それらが 20時〜21時30分頃の間に断続的に発生したことを報告している.津波を引き起こしたメカニズムについて,Mizutani & Melgar (2023) やKubota et al. (2024) は鳥島近海での複数の海底変動イベントを指摘している.しかしながらUSGS や先行研究の決定した震源の位置や津波モデリングによる海底変動イベントの発生回数にはばらつきがある.また,一連のイベントで観測された地震波形は,振幅が比較的小さなことに加えて,P 波などの波相や波の立ち上がりが不明瞭である.したがって,一連のイベントは波の到達時刻の精密な読み取りや理論走時の仮定を要する従来手法による震源決定が困難であった可能性がある.さらに,主要なイベント前後における地震活動についても検討の余地がある.
そこで本研究は,AELUMA (Automated Event Location Using a Mesh of Arrays) 法(de Groot–Hedlin et al., 2015; Fan et al., 2018) を基に,地震観測網をドロネー三角形分割によって,三つ組アレイ (隣接する 3 つの観測点で構成される三角形型の観測点配置) の集合体として再構成し,三つ組アレイの各辺の両端の観測点 (ペア) 同士での波形同士の相関を用いて,地震波形データのノイズの中から中〜長周期域に卓越する地震以外の震源に由来するシグナルを検知し,その震源の位置と時刻を地震波形同士の類似度を利用して決定する手法を開発した.開発した手法を防災科学技術研究所の広帯域地震観測網 F-net の2023年9月24日〜10月22日 (UTC) の連続地震波形データに適用して震源の探索・決定を行い,鳥島近海で発生した一連の地震活動を解析した.また,本手法で検出した一連のイベントの地震波放射特性を調べるためスペクトル解析を行った.
解析の結果,解析対象期間において652個の震源を決定した.孀婦岩周辺での地震活動を調べるために,本研究で使用した解析手法の持つ決定誤差を基に,孀婦岩を中心として,長軸800 km,短軸312.5 km,長軸の方位323 °の範囲を孀婦岩周辺のエリアとして定めた.このエリアにおいて,242個の震源を決定した.これらの震源をUSGSおよび気象庁カタログに記載されている震源と比較し,記載されている震源と距離500 km以下かつ推定した震源時刻との差が15分以下の震源を震源に記載されているもの同一の震源であると判定した.この結果,カタログに記載されている震源を148,未記載の震源を新たに94 決定した.また孀婦岩周辺では,10月1日から8日にかけて未記載の震源を含む震源の検出数の増加がみられた.10月8日以降においては,顕著な地震活動は検出されなかった.
本発表では,上記の検出結果を詳細に紹介するとともに,決定した震源の時空間分布や周波数特性を基に2023年10月8日 (UTC) の主要な津波イベント発生前後14日間における孀婦岩周辺の地震活動について議論する.
そこで本研究は,AELUMA (Automated Event Location Using a Mesh of Arrays) 法(de Groot–Hedlin et al., 2015; Fan et al., 2018) を基に,地震観測網をドロネー三角形分割によって,三つ組アレイ (隣接する 3 つの観測点で構成される三角形型の観測点配置) の集合体として再構成し,三つ組アレイの各辺の両端の観測点 (ペア) 同士での波形同士の相関を用いて,地震波形データのノイズの中から中〜長周期域に卓越する地震以外の震源に由来するシグナルを検知し,その震源の位置と時刻を地震波形同士の類似度を利用して決定する手法を開発した.開発した手法を防災科学技術研究所の広帯域地震観測網 F-net の2023年9月24日〜10月22日 (UTC) の連続地震波形データに適用して震源の探索・決定を行い,鳥島近海で発生した一連の地震活動を解析した.また,本手法で検出した一連のイベントの地震波放射特性を調べるためスペクトル解析を行った.
解析の結果,解析対象期間において652個の震源を決定した.孀婦岩周辺での地震活動を調べるために,本研究で使用した解析手法の持つ決定誤差を基に,孀婦岩を中心として,長軸800 km,短軸312.5 km,長軸の方位323 °の範囲を孀婦岩周辺のエリアとして定めた.このエリアにおいて,242個の震源を決定した.これらの震源をUSGSおよび気象庁カタログに記載されている震源と比較し,記載されている震源と距離500 km以下かつ推定した震源時刻との差が15分以下の震源を震源に記載されているもの同一の震源であると判定した.この結果,カタログに記載されている震源を148,未記載の震源を新たに94 決定した.また孀婦岩周辺では,10月1日から8日にかけて未記載の震源を含む震源の検出数の増加がみられた.10月8日以降においては,顕著な地震活動は検出されなかった.
本発表では,上記の検出結果を詳細に紹介するとともに,決定した震源の時空間分布や周波数特性を基に2023年10月8日 (UTC) の主要な津波イベント発生前後14日間における孀婦岩周辺の地震活動について議論する.
