講演情報
[P15-16]グラフニューラルネットワークを用いたリアルタイム震度時系列予測モデルの検討
*渡辺 豪太1、金 亜伊1 (1. 横浜市立大学)
地震動予測においては、震源パラメータに基づく従来型の手法に加えて、観測波形そのものを利用して将来の揺れを直接推定する波動場ベースのアプローチが注目されている。近年提案されたGRAPESは、観測点で得られた数秒間の加速度波形を入力とし、グラフニューラルネットワークを用いて空間的に情報を伝播させることで将来の最大加速度を予測する深層学習モデルである。この手法は局所的な時系列特徴と観測網全体の空間的連続性を統合することで、従来のPLUM法などと比較して有効な猶予時間を確保できる可能性が示されている。本研究ではGRAPESの基本的な枠組みを踏襲しつつ、出力を最大加速度からリアルタイム震度の時系列へと拡張することを目的とする。具体的には、各観測点の入力波形から得られる特徴表現を空間的に伝播させる構造はそのまま利用し、デコーダ部分を時系列に対応させることで、将来のリアルタイム震度を予測するように設計する。これにより、最大値だけではなく揺れの到達時刻や持続時間など、地震動の時間的特徴を含めた情報を推定できる可能性がある。評価においては、強震観測網の加速度記録から生成したリアルタイム震度の時系列を用い、時系列全体の誤差や最大震度の再現性に加えて、揺れの到達時刻の予測精度や誤警報の発生率などを検証する予定である。また、ノイズのみの区間を含めて学習することで誤報を抑制する工夫や、観測点の欠測に対する頑健性についても検討する。
