講演情報
[P16-01]活断層を横断する稠密微動観測事例
*西本 壮汰2、香川 敬生1、野口 竜也1 (1. 鳥取大学工学部、2. 鳥取大学大学院持続性社会創成科学研究科工学専攻)
1.はじめに
活断層の直上付近で微動水平/上下比(MHVSR)のピークが不明瞭になり,ピーク周期付近でMHSVRが異方性を示す現象が見られることが多い。そこで,岡山県美作市でトレンチ調査がおこなわれた山﨑断層帯大原断層でおこなった結果を中心に報告する。添付図には,都市圏活断層図(岡田・他, 2002)で実施位置を示している。あわせて,岐阜県本巣市を通る根尾谷断層水鳥地区および兵庫県淡路市の野島断層の地表地震断層変位部における観測結果も報告したい。
2.観測の概要
観測は,令和6年10月18日に白山工業製微動計JU410を8台用いて実施した。近傍でトレンチ調査(遠田・他, 1995)が行われた西町地区では最短10m間隔の直線上で3展開の観測を実施した。サンプリングは200Hzとし,各点で概ね10分以上の観測を実施した。また,市街地近くで同様のトレンチ調査が行われた中町地区でも2展開の観測を実施した。あわせて,測線両端部でL字型アレイ観測を実施した。
3.解析結果
観測記録から水平/上下スペクトル比(MHVSR)を算出し,ヒートマップとして測線上に並べた図を添付する。西町地区では,推定断層の南側では周期約0.15秒の明瞭なピークが見られるが,北側ではピークが不明瞭で周期も0.1秒を下回る。さらに測線の北側で周期0.1秒を上回るやや明瞭なピークが見られるようになっている。中町地区では,推定断層の南側では周期0.1秒を下回る明瞭なピークが見られるが,推定断層に近づくにつれて0.1秒を超えて周期が長くなり,ピークも不明瞭になっている。アレイ探査からは,西町地区,中町地区ともに,表層S波速度が南側で300m/s程度,北側で200m/sを切る結果となっている。
4.おわりに
過去に地表地震断層を生じた活断層部において,MHVSRのピークが不明瞭になりる現象が追認された。地表地震断層を生じたごく近傍では,被害の様相から地震動が周辺部よりも小さいことが示唆されることもあり,今後事例を増やすことで地表地震断層ごく近傍の揺れとMHVSRのピークが不明瞭になることの関連性について考察を深めたい。
謝辞
観測には,鳥取大学工学部社会システム土木系学科の学生に補助頂いた。位相速度分散曲線の算出には,(国研)産業技術総合研究所長郁夫博士開発のBIDOver3.2を利用させて頂いた。また,本研究の実施にあたっては,日本学術振興会科研費(課題番号24K071562)の助成を受けた。記して感謝したい。
参考文献
岡田篤正・千田昇・中田高・石山達也,都市圏活断層図92「佐用」,国土地輪D1-No.396, 2002.
遠田晋次・宮腰勝義・井上大栄・楠建一郎・鈴木浩一,山崎断層系大原断層のトレンチ調査,地震2,48,,pp.57-70,1995.
活断層の直上付近で微動水平/上下比(MHVSR)のピークが不明瞭になり,ピーク周期付近でMHSVRが異方性を示す現象が見られることが多い。そこで,岡山県美作市でトレンチ調査がおこなわれた山﨑断層帯大原断層でおこなった結果を中心に報告する。添付図には,都市圏活断層図(岡田・他, 2002)で実施位置を示している。あわせて,岐阜県本巣市を通る根尾谷断層水鳥地区および兵庫県淡路市の野島断層の地表地震断層変位部における観測結果も報告したい。
2.観測の概要
観測は,令和6年10月18日に白山工業製微動計JU410を8台用いて実施した。近傍でトレンチ調査(遠田・他, 1995)が行われた西町地区では最短10m間隔の直線上で3展開の観測を実施した。サンプリングは200Hzとし,各点で概ね10分以上の観測を実施した。また,市街地近くで同様のトレンチ調査が行われた中町地区でも2展開の観測を実施した。あわせて,測線両端部でL字型アレイ観測を実施した。
3.解析結果
観測記録から水平/上下スペクトル比(MHVSR)を算出し,ヒートマップとして測線上に並べた図を添付する。西町地区では,推定断層の南側では周期約0.15秒の明瞭なピークが見られるが,北側ではピークが不明瞭で周期も0.1秒を下回る。さらに測線の北側で周期0.1秒を上回るやや明瞭なピークが見られるようになっている。中町地区では,推定断層の南側では周期0.1秒を下回る明瞭なピークが見られるが,推定断層に近づくにつれて0.1秒を超えて周期が長くなり,ピークも不明瞭になっている。アレイ探査からは,西町地区,中町地区ともに,表層S波速度が南側で300m/s程度,北側で200m/sを切る結果となっている。
4.おわりに
過去に地表地震断層を生じた活断層部において,MHVSRのピークが不明瞭になりる現象が追認された。地表地震断層を生じたごく近傍では,被害の様相から地震動が周辺部よりも小さいことが示唆されることもあり,今後事例を増やすことで地表地震断層ごく近傍の揺れとMHVSRのピークが不明瞭になることの関連性について考察を深めたい。
謝辞
観測には,鳥取大学工学部社会システム土木系学科の学生に補助頂いた。位相速度分散曲線の算出には,(国研)産業技術総合研究所長郁夫博士開発のBIDOver3.2を利用させて頂いた。また,本研究の実施にあたっては,日本学術振興会科研費(課題番号24K071562)の助成を受けた。記して感謝したい。
参考文献
岡田篤正・千田昇・中田高・石山達也,都市圏活断層図92「佐用」,国土地輪D1-No.396, 2002.
遠田晋次・宮腰勝義・井上大栄・楠建一郎・鈴木浩一,山崎断層系大原断層のトレンチ調査,地震2,48,,pp.57-70,1995.

