講演情報
[P16-03]単点常時微動観測による新大阪駅周辺の上町断層位置の推定
*赤澤 隆士1、山田 浩二1 (1. (株)阪神コンサルタンツ)
大阪平野中央を南北方向に走る上町断層帯は、今後30年以内の地震発生確率が2〜3%とされ、日本の内陸地殻内地震の中では比較的高い部類に属すると評価されている(地震調査研究推進本部, 2004)。さらに、断層帯全体が一つの区間として活動した場合、マグニチュード7.5程度の地震が発生すると推定されており(同)、その際には大阪府を中心に甚大な被害をもたらす可能性がある。このため、精度の高い強震動予測のためには、断層位置の正確な把握が極めて重要である。上町断層帯は東側が西側に乗り上げる逆断層であり、断層を境として、基盤岩上面深度は東側が西側に対して相対的に高いと考えられる。本検討では、上町断層に近接すると評価されている新大阪駅周辺(例えば、吉岡・他, 2013)を対象に、複数地点で単点常時微動観測を行った。そして、観測された微動記録を利用してH/Vスペクトル比を算出し、得られた卓越周期を利用して基盤岩上面深度の差異を評価することで、断層位置の推定を試みた。観測では、微動計にReftek社(旧Lennartz社)製 LE-3D/5sを、データロガーには白山工業株式会社製LS-8800を使用した。観測点は、推定断層位置を横断するように、東西約1.6 kmの測線上に100~200 m程度の間隔で配置した。さらに、基盤岩上面深度の面的分布を把握するため、測線からやや南側に離れた位置にも複数の観測点を設けた。観測された微動記録を利用してH/Vスペクトル比を算出した結果、いずれの観測点においても、周期3~5秒付近のやや長周期域に明瞭な卓越が確認された。この卓越は、基盤岩上面深度に対応すると考えられる。観測点ごとの卓越周期を詳細に比較したところ、測線の東側では周期3~3.5秒付近が、西側では周期5秒付近が卓越していることが確認された。この卓越周期の変化は、およそ200 m程度離れた観測点間で生じており、この区間に基盤岩上面の急峻な段差が存在する可能性を示唆している。さらに、測線からやや南側に離れた観測点では、測線上で得られた卓越周期の分布がそのまま南側に移動したような傾向を示し、断層が南北方向に延びていることを裏付ける結果となった。
